第121回 Appleがスマートドックの特許を出願

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TPP閣僚会合はシンガポールで7日~10日で開催されましたが、来年1月に再び会合が開かれ、継続作業の声明が発表されたのみで、知財分野については妥結とのニュースは入ってきていません。
交渉の一つである知財はどうなるのでしょうか? 復習ですが、交渉の焦点は新薬の特許期間を延長するかどうかです。米国はこの延長を求めています。米国は国内に大手の製薬会社を数多く抱えているからです。これらの製薬会社を保護するために、新薬の特許期間をなるべく延長したいのですが、シンガポールなど新興国は、特許期間を早く満了させて、安価なジェネリック薬品の製造販売を望んでいます。年内妥結は難しいようです。

ところでAppleがスマートドックの特許を出願していることがわかりました。iPhone など携帯型電子デバイスの機能を拡張するためのドッキングステーションであり、マイクロフォンなどを内蔵していて、音声認識をアクティブにするものです。

この特許を紹介してくれたのは、CNETの以下の記事です。記事のタイトルは、
「「Siri」で楽曲再生などを指示できるスマートドック–アップルの特許出願書類が公開」
(http://japan.cnet.com/news/service/35041021/)
です。

この特許が12月5日に出願公開されたので紹介します(公開番号US 2013/0325479)。
この記事からわかるように、Siriを使った特許です。SiriはSpeech interpretation and recognition interfaceであり、マイクに向かって指示することにより、ある人への電話の発信、メール送信、スケジューリングの表示などユーザの望むことを行ってくれるインターフェースであり、Appleが開発し、iPhone4Sに搭載されています。
この特許ではドッキングステーションにマイクロフォンが内蔵されており、ユーザがドックに指示することにより、Siriなどの音声認識モードがアクティブになります。
この特許でいう携帯型デバイスとは、音声認識モードで動作するラップトップコンピュータやタブレット、車のキー、アクセスカードなども含むとの記載があります。もちろんiPod, iPhoneも含みます。

“A dock for a portable electronic device including a housing, a connector extending from the housing to connect the portable electronic device to the dock, a microphone integrated within the housing, and a processor. The processor is operatively coupled to receive audio input from the microphone, and in response to the audio input, transmit a message to the portable electronic device via the connector to activate a voice recognition mode of the portable electronic device”.

「携帯型電子デバイスのためのドックであって、筐体(ハウジング)、ハウジングから延長され、携帯型電子デバイスをドックに接続するコネクタ、ハウジング内に内蔵されるマイクロフォン、プロセッサを備えている。プロセッサは動作可能に連結されてマイクロフォンから音声入力を受け取り、音声入力に応答して、コネクタを介して携帯型電子デバイスにメッセージを送信し、携帯型電子デバイスの音声認識モードをアクティブにする。」

“The present disclosure relates generally to portable electronic devices, and more particularly to a smart dock for communicating with a portable electronic device to activate a voice recognition mode”.

「本開示は一般的には、携帯型電子デバイスに関し、より詳細には、音声認識モードをアクティブにするために、携帯型電子デバイスと通信するスマートドックに関する。」

“Portable electronic devices, such as cellular phones, have become ubiquitous in today’s society, as have the peripheral electronic devices that support their use, such as docking stations and the like.

「携帯電話などの携帯型電子機器は、今日の社会でユビキタスとなっており、ドッキングステーションなどのこれらの機器の使用をサポートする周辺電子機器を有している。」

ドッキングステーションとは、パソコンの機能を拡張するもので、この上にノートパソコンを載置して使うことにより、USBポートが備わるなどノートパソコンの機能が拡張されます。

“FIG. 1 illustrates a simplified perspective view of a dock 100 according to an embodiment of the present invention that activates a voice recognition mode of a portable electronic device 120”.

「図1は、携帯型電子デバイス120の音声認識モードをアクティブにする本発明の実施形態に係るドック100の簡略化された斜視図を図示している。」

“Dock 100 can include a housing 102 and one or more user interface components integrated within housing 102”.

「ドック100には、ハウジング102及びハウジング102内に内蔵された1つ以上のユーザインターフェース・コンポーネントを備えていてもよい。」

“For example, dock 100 can include a microphone 114 configured to receive voice and audio input from a user, and one or more speakers 112 for presenting audio output to a user”.

「例えばドック100は、ユーザによる音声及び映像入力を受信するように構成されたマイクロフォン114と、ユーザに音声出力を提示する1つ以上のスピーカ112を備えていてもよい。」

“Dock 100 can include one or more control buttons 106 for a user to control various functionalities of dock 100 (e.g., volume, tuning, audio source, equalization, etc.) and a display screen 104 which can display the current time and provide visual feedback regarding the operation of dock 100”.

「ドック100は、ユーザがドック100の様々な機能(音量、チューニング、音源、イコライゼーション等)を制御できる1つ以上の制御ボタン106、現在時刻を表示できるディスプレイスクリーン104を備えていてもよく、ドック100の動作に関する視覚的なフィードバックを提供する。」

そのほか、この発明のポイントとなる記載を抜き出してみました。

“Alternatively, in embodiments of the invention, signals can be transmitted between dock 100 and portable electronic device 120 wirelessly. For example, dock 100 and portable electronic device 120 can communicate using Bluetooth, IEEE 802.11 (e.g., WiFi), or any other suitable wireless protocol”.

「あるいは本発明の実施形態では、ドック100と携帯型電子デバイス120との間で信号が無線で送信できる。例えばドック100及び携帯型電子デバイス120は、Bluetooth, IEEE 802.11(WiFi等)あるいは他のいずれかの適切な無線プロトコルを使用して通信できる。」

“Depending on the implementation of a particular dock 100, a user can operate user interface components 206 to invoke the various functionalities of dock 100”.

「特定のドック100の実装によっては、ユーザはユーザインターフェース・コンポーネント206を作動させ、ドック100の様々な機能を起動させることができる。」

コメント)
ドック100とiPhoneなどの電子デバイスは、WiFiなどを使って通信します。

“For example, processor 202 can receive audio input from microphone 114, and in response to the input, transmit a message to portable electronic device 120 to activate a voice recognition mode of portable electronic device 120”.

「例えばプロセッサ202は、マイクロフォン114から入力された音声を受信し、入力に応答して、メッセージを携帯型電子デバイス120に送信し、携帯型電子デバイス120の音声認識モードをアクティブにする。」

コメント)
これが発明のポイントが最も良く現れている文書です。Siriなどの音声認識モードを作動させます。

今週のポイント

  • TPP閣僚会合はシンガポールで7日~10日の日程で開催されたが、来年1月に再び会合が開かれ、継続作業の声明が発表されたのみで、知財分野については妥結されなかったようである。
  • 交渉の焦点は新薬の特許期間を延長するかどうかである。米国はこの延長を求めている。国内に大手の製薬会社を数多く抱えているからであり、これらの製薬会社を保護するために、新薬の特許期間をなるべく延長したいが、シンガポールなど新興国は、特許期間を早く満了させて、安価なジェネリック薬品の製造販売を望んでいる。
    年内妥結は難しいようである。
  • Appleがスマートドックの特許が出願公開された。iPhone など携帯型電子デバイスの機能を拡張するためのドッキングステーションであり、マイクロフォンなどを内蔵していて、音声認識をアクティブにするものである。
  • この特許ではドッキングステーションにマイクロフォンが内蔵されており、ユーザがドックに指示することにより、Siriなどの音声認識モードがアクティブになる。

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