第120回 NHKの土曜ドラマ

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NHKの土曜ドラマ「太陽の罠」をご覧になっていますか? 特許業界の皆さんであればご存知でしょう。特許侵害をテーマにしたドラマです。このドラマのことは数ヶ月も前から私たちの間でも話題になっていました。11月30日9:00〜にスタートしました。
大手電機メーカーが太陽光発電について米国の小さなメーカーから特許侵害の警告を受けるという内容です。米国特許公報や図面が映ったり、知的財産部の様子が出てきたり、パテントトロールということばが出てきたり、とにかくこのブログを読んでいる方は必見です。
パテントトロール(patent troll)とは、特許侵害をしている会社を見つけては、侵害と主張して多額の賠償額を請求する者です。実施していない特許であっても侵害されているとの主張の根拠にします。トロールはもともと北欧の伝説に登場する洞窟にひそむ妖精の一種です。
ドラマの中では、パテントトロールらしき米国人と日本の企業コンサルタントという怪しげな男性が、この電機メーカーの太陽光発電を遠くから望遠鏡で視察する場面が出てきます。
抵触する米国特許があるにもかかわらず、製造に踏み切ってしまった、ライセンスを締結すべきであった、など特許の知識が確認できる内容です。そして難しい特許の話だけではなく、上司と部下、大企業社内の確執など日常的なテーマも絡めてあるので、特許以外の方も観て楽しめるし、それでいて特許の知識も身につく、という特許業界にとっては有り難いドラマです。2回目(12月7日)以降も是非、ご覧下さい。
パテントトロールについてはこのブログであまり触れたことはありませんでした。ひと頃話題になったパテントマフィアの一種です。
このほかマーキングトロール(marking troll)と呼ばれる人達もいます。これは虚偽表示を行っている企業を見つけては提訴する者です。パテントトロールやマーキングトロールの横行により、アメリカ特許業界はすっかり活気を失っていました。2011年米国特許法改正は、その対策という意味もありました。

新米国特許法292条には、

“Only the United States may sue for the penalty authorized by this subsection.”

の一文が加えられました。
「米国のみが、本条により認められた罰金を求めて提訴できる。」
という条文です。
注)本条、つまり292条は虚偽表示を規定した条文です。

そして、次の条項も加えられています。

(b) A person who has suffered a competitive injury as a result of a violation of this section may file a civil action in a district court of the United States for recovery of damages adequate to compensate for the injury.

「本条違反の結果として、競争阻害を被っている者は、当該阻害の補償のために適切な損害の回復を求めて、米国連邦地裁に民事訴訟を提起できる。」

つまり、競争による被害を被った者は損害賠償を求めて民事訴訟を提起できますよ、とあります。
これまで虚偽表示に関する訴訟は、Qui Tam訴訟といって、個人が政府のために訴訟を提起していました。そして罰金は国と私人が折半していました。
以下の条文は削除されました。

(b) Any person may sue for the penalty, in which event one-half shall go to the person suing and the other to the use of the United States.

「いずれの者も罰金を求めて訴訟を提起可能であり、かかる場合、2分の1は訴訟を提起した者に付与され、その他は米国の利用に供される。」

今回のドラマでは日本では馴染みの薄いパテントトロールの活動を実際に観ることができます。

前回Twitterの米国特許8,448,084号(User Interface Mechanics)をみましたが、続きを読んでいきます。

“In step 310, input associated with a first command may be received, and the first command may include a request to scroll the content area”.

ステップ310では、第1のコマンドに関連付けられた入力を受信でき、第1のコマンドにはコンテンツ領域をスクロールするためのリクエストがある。

“For example, after displaying a content area (e.g., in step 305), computing device 100 may receive user input associated with a request to scroll the content area”.

例えばコンテンツ領域を表示した後(例えばステップ305)、コンピュータデバイス100は、コンテンツ領域をスクロールするためのリクエストに関連付けられたユーザ入力を受信できる。

“Such user input may be received in connection with a variety of input actions, such as a user interacting with a displayed scroll bar, a user clicking and dragging a content item included in the content area, a user physically manipulating a scroll wheel included in a mouse, and/or a user otherwise interacting with hardware and/or software components of computing device 100″.

当該ユーザ入力は、表示されたスクロールバーと相互通信するユーザ、コンテンツ領域に含まれるコンテンツ項目をクリックしてドラッグするユーザ、マウスに含まれるスクロールホイールを物理的に操作するユーザ、及び/又はコンピュータデバイス100のハードウエア及び/又はソフトウエアコンポーネントと相互通信するユーザ等、様々な入力行為に関連して受信できる。

“For example, a user may initiate a scroll command by clicking and dragging a content item and/or a handle included in the content area using a mouse (e.g., by clicking on and/or selecting a content item and then holding down the mouse button while moving the mouse), and a user may complete the scroll command by concluding the dragging (e.g., by releasing the mouse button)”.

例えば、ユーザはマウスを使用して(例えば、コンテンツ項目をクリック及び/又は選択し、次にマウスを動かす間にマウスボタンを押し下げることにより)、コンテンツ領域に含まれるコンテンツ項目及び/又はハンドルをクリックしてドラッグすることにより、スクロールコマンドを開始でき、ユーザはドラッグを終了する(例えばマウスボタンを解除する)ことにより、スクロールコマンドを完了させることができる。

今週のポイント

  • NHK土曜ドラマ「太陽の罠」(11月30日21:00スタート)は、大手電機メーカーが太陽光発電に関して、米国特許企業から特許侵害との警告を受けるという内容であり、パテントトロールに関係している。抵触する米国特許があるにもかかわらず、製造に踏み切ってしまった、ライセンスを締結すべきであった、など特許の知識が確認できる。
  • パテントトロール(patent troll)とは、特許侵害をしている会社を見つけては、侵害と主張して多額の賠償額を請求する者である。実施していない特許であっても侵害されているとの主張の根拠にする。トロールはもともと北欧の伝説に登場する洞窟にひそむ妖精の一種である。
  • マーキングトロール(marking troll)とは、虚偽表示を行っている企業を見つけては提訴する者である。
  • パテントトロールやマーキングトロールの横行により、アメリカ特許業界はすっかり活気を失っており、2011年米国特許法改正はその対策の意味もあった。
  • 新米国特許法292条には、
    “Only the United States may sue for the penalty authorized by this subsection.”
    「米国のみが、本条(虚偽表示)により認められた罰金を求めて提訴できる。」
    の一文が加えられた。
    これまで虚偽表示に関する訴訟は、Qui Tam訴訟により、個人が政府のために訴訟を提起しており、罰金は国と私人が折半していた。

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