第116回 審査スーパーハイウエイがより使いやすく

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審査スーパーハイウエイ(PPH)が2014年から更に利用しやすくなり、「グローバル特許審査ハイウエイ」が始まります。といってそもそもPPHとは何でしょう?
外国出願の際に審査を迅速に行ってもらうために、一つの国の審査結果を他の国の審査でも利用してもらうという制度です。たとえば米国出願に基づき、対応する日本出願を行う場合には、米国の審査資料を日本で活用してもらうために、日本出願するときにはこの制度を利用して早期審査を請求します。日米でクレームの対応表を付ける、例えばクレーム2とクレーム4は形式は異なるが同一であるなどのコメントも記載します。アメリカで引かれた引例も日本に提出します。
PPHは現在30の国と地域で利用されていますが、日本特許庁は12ヶ国(米国、韓国、英国、デンマーク、フィンランド、ロシア、カナダ、スペイン、北欧特許庁、ノルウェー、ポルトガル、オーストラリア)との間で、2014年1月からグローバル特許審査ハイウエイを開始することとしました。
これまではA国では国際出願はPPHが使えるがB国ではダメ、というように制度に統一がとれていませんでした。したがってユーザとしてもどの国でどこまでこれを利用できるかわからず不便でした。国際出願でPPHを利用するとはどういうことでしょうか?
国際出願はPCT(特許協力条約)により、一つの出願手続で複数の国に出願できる制度です。たとえば日本の会社が日本特許庁に日本語で国際出願すると、PCT加盟国である180ヶ国以上で国際出願日に同時に出願されたものとみなされます。
国際段階と国内段階があり、国際段階では統一して国際調査や国際予備審査が行われます。国際調査報告書や予備審査報告が出され、これらのレポートをもとに出願の継続を判断できます。その後、出願人が権利取得したい国に国内移行し、国内段階の審査に入っていきます。
国際調査報告や予備審査報告の結果を国内段階でも利用する、というのがPPH-PCTです。PCTではない通常の出願でPPHを利用する場合にも、最初に出願した国の結果を利用するという取り決めもありましたが、どの国に先に出願したかという順序にかかわらず、他国での肯定的な審査結果が利用できる(PPH MOTTAINAI)が日本では2011年から開始しています。
MOTTAINAI(もったいない)は、最初に出願した国の結果しか利用できないのは「もったいない」ので、出願の順序にかかわらず利用しようという意味に由来しています。
PPH PCTとPPH MOTTAINAIは利用できる国とできない国がありました。例えば日米PPHで、アメリカはこの両方とも利用できるが、日本・カナダPPHでは、カナダはPPH PCTは利用できません。
2014年からは、日本と上記12ヶ国との間ではこの双方が利用できるグローバル審査特許ハイウエイが導入されます。

ところでTwitterは新規株式公開(IPO)に際して、一株当たりのIPO価格を17〜20ドルから23〜25ドルとする修正をSEC(米国証券取引委員会)に行いました。その提出資料の中で、IBMから3件の特許権侵害を指摘されたことも発表しました。詳しいことは明らかになっていませんが、どのような特許か非常に興味深いです。広告関係の特許ということです。早く内容を知りたいです。
この事件とは全く関係ないのですが、このニュースを見てTwitterがどのような特許を持っているか興味が出てきたので、米国特許庁サーチ画面で調べてみました。このような検索のやり方は、本ブログ第1回目で説明しましたが、覚えていますか?
発行された特許を特許権者名をもとに調べるには、USPTOサーチ画面(http://www.uspto.gov/patents/process/search/)のSearching Full Text Patents (since 1976)のQuick SearchでTerm 1にtwitterと入力し、Term 2にAssignee Nameをプルダウンメニューから選択します。そうすると2件ヒットしました。どちらも新しい特許です。その一つ、8448084号”User Interface Mechanics”を見てみましょう。

Abstract

“Methods, computer readable media, and apparatuses for providing enhanced user interface mechanics are presented”.

向上したユーザインターフェースメカクニスを提供する方法、コンピュータ読み取り可能な媒体、装置が提供される。

“In one arrangement, a scrollable list of content items may be displayed. Input associated with a scroll command may be received”.

一つの構成では、スクロール可能なコンテンツ項目のリストが表示可能である。スクロールコマンドに関連付けられた入力が受信できる。

“Then, based on the scroll command, a scrollable refresh trigger may be displayed”.

そしてスクロールコマンドに基づき、スクロール可能なリフレッシュ・トリガーを表示できる。

“Subsequently, the scrollable list of content items may be refreshed in response to determining, based on the scroll command, that the scrollable refresh trigger has been activated”.

次にコンテンツ項目のスクロール可能なリストは、スクロールコマンドに基づきスクロール可能なリフレッシュ・トリガーがアクティブになった、という判断に応答してリフレッシュ可能である。

“In at least one instance, it may be determined that the scrollable refresh trigger has been activated in response to determining that the scroll command was completed while the scrollable refresh trigger was fully displayed”.

少なくとも一つの場合、スクロールコマンドが完了し、一方でスクロール可能なリフレッシュ・トリガーは完全に表示されたという判断に応答して、スクロール可能なリフレッシュ・トリガーはアクティブにされたと判断できる。

refresh triggerとは?明細書でこれを説明した箇所を見つけました。

“For instance, the scrollable refresh trigger may include an animated graphic (e.g., an arrow rotating, a spring decompressing, a lock unlocking, etc.) … “

スクロール可能なリフレッシュ・トリガーには例えば、動画グラフィック(回転する矢印、伸張ばね、ロック解除等)〜。

つまり新しい動作をするためのグラフィックなどです。TwitterもAppleと同様に画面の操作について特許を取っていることがわかりました。

今週のポイント

  • 審査スーパーハイウエイ(PPH)が2014年から更に利用しやすくなり、「グローバル特許審査ハイウエイ」が始まる。
  • PPHとは、外国出願の際に審査を迅速に行ってもらうために、一つの国の審査結果を他の国の審査でも利用してもらうという制度である。たとえば米国出願に基づき、対応する日本出願を行う場合には、日本出願するときに早期審査を請求する(日米でクレームの対応表を付ける、例えばクレーム2とクレーム4は形式は異なるが同一であるなどのコメントも記載し、アメリカで引かれた引例を日本に提出する。)
  • PPHは現在30の国と地域で利用されているが、日本特許庁は12ヶ国(米国、韓国、英国、デンマーク、フィンランド、ロシア、カナダ、スペイン、北欧特許庁、ノルウェー、ポルトガル、オーストラリア)との間で、2014年1月からグローバル特許審査ハイウエイを開始する。
  • これまでPPH PCTとPPH MOTTAINAIは利用できる国とできない国があったが、2014年からは、日本と上記12ヶ国との間ではこの双方が利用できるグローバル審査特許ハイウエイが導入される(PCT PPHは国際出願でPPHを利用すること、PPH MOTTAINAIは、どこの国に最初に出願したかにかかわらず、他国での審査結果を利用すること。)
  • Twitterは新規株式公開(IPO)に際して、一株当たりのIPO価格を17〜20ドルから23〜25ドルとする修正をSEC(米国証券取引委員会)に行った。その提出資料の中で、IBMから3件の特許権侵害を指摘されたことも発表した。

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