第75回 Appleのマルチタッチ特許が拒絶に

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Appleとサムスンの特許訴訟で重要な柱の一つとなる特許がUSPTO(米国特許庁)で拒絶と判断されました。スティーブ・ジョブズ特許といわれるUS7479949号です。彼の特許は350ほどありますが、そのなかでも1,2を争う重要な特許であり、この訴訟でも焦点の一つとなる技術です。これが拒絶されたのはAppleにとって大打撃です。

この「マルチタッチ特許」は以前もこのブログで紹介しましたが、今日は図(特許 US7479949 – Touch screen device, method, and graphical user interface for determining …)を使って部分を訳します。
正確に言うと、ex partes reexaminationでクレーム1〜20がすべて拒絶されました。ex partes reexaminationは査定系再審査であり、特許の権利行使期間中に先行技術である特許や刊行物を提出して、特許を再審査するように請求する制度です。特許になったものを再審査するのですから、無効審判のようなものと考えればよいです。第三者そして特許権者も請求することもできます。これが請求されると、新たな争点を提起しているか否かが判断され、提起していれば再審査が開始されます。
今年8月には、米国の陪審で10億5千万ドルの損害賠償が命じられたものの、ラバー・バンディング特許(US7469381号)については10月に拒絶の判断が下り、そしてマルチタッチ特許の今回のこの判断です。Appleには旗色の悪い事件が続いています。ラバーバンドは輪ゴムの意味で、画面がが跳ね返るという特許です。

US7479949号明細書の図2を使った説明部分

“FIG. 2 illustrates a portable multifunction device 100 having a touch screen 112 in accordance with some embodiments”.

図2は、タッチスクリーン112を備えた携帯型マルチ機能デバイス100を示している。

“The touch screen may display one or more graphics within user interface(UI)2002”.

タッチスクリーンは、ユーザインターフェース200の内部で1つ以上のグラフィックスを表示している。

“In this embodiment, as well as others described below, a user may select one or more of the graphics by making contact or touching the graphics, for example, with one or more fingers 202(not drawn to scale in the figure)”.

この実施形態では、以下に記載した実施形態同様、ユーザは、例えば1本以上の指202でグラフィックスに触れ、あるいはタッチすることにより、1つ以上のグラフィックスを選択することができる。

“In some embodiments, selection of one or more graphics occurs when the user breaks contact with the one or more graphics”.

ある実施形態では、ユーザが1つ以上のグラフィクスに対して触れることをやめた時に、1つ以上のグラフィックスの選択が生じる。

“In some embodiments, the contact may include a gesture, such as one or more taps, one or more swipes(from left to right, right to left, upward and/or downward)and/or a rolling of a finger(from right to left, left to right, upward and/or downward)that has made contact with the device 100”.

ある実施形態では、接触には1つ以上のタップ、1つ以上のスワイプ(左から右、右から左、上方および/または下方)および/またはデバイス100に接触した指の回転(右から左、左から右、上方および/または下方)等のジェスチャーがある。

“In some embodiments, inadvertent contact with a graphic may not select the graphic”.

ある実施形態では、グラフィックスに不注意に触れてしまった場合は、グラフィックを選択できないようになっている。

“For example, a swipe gesture that sweeps over an application icon may not select the corresponding application when the gesture corresponding to selection is a tap”.

例えば、アプリケーションを引きずるスワイプのジェスチャーは、選択に対応するジェスチャーがタップであるとき、対応するアプリケーションを選択できない。

特許 US7479949 – Touch screen device, method, and graphical user interface for determining …

1本以上の指でタッチして選択、スワイプ、接触をやめると選択などの操作が描かれていますが、このような技術が2009年に特許になったのは画期的です。拒絶になった理由はまだわかりませんが、今回の再審査はこのような当たり前の操作の発明性が問われているのでしょうか?

今週のポイント

  • スティーブ・ジョブズ特許といわれるUS7479949号「マルチタッチ特許」が、USPTOの査定系再審査でクレーム1〜20がすべて拒絶された。1本以上の指でタッチして選択、スワイプ、接触をやめると選択などの操作が描かれている。
  • 今年8月には、米国の陪審で10億5千万ドルの損害賠償が命じられたものの、ラバー・バンディング特許(US7469381号)については10月に拒絶の判断、そして今回のマルチタッチ特許の拒絶とAppleには旗色の悪い判断が続いている。

特許翻訳のお問い合わせはインターブックスにどうぞ

技術背景を持ち、それぞれの国の法制度の事情を理解したネイティブ翻訳者が翻訳を担当いたします。
日本特許庁・米国特許商標庁・欧州特許庁・中国特許庁・韓国特許庁の出願要件に則って特許明細書を翻訳し、お客様のご要望にお応えいたします。
電話番号 03-5212-4652
お問合せはこちら

関連する記事