第58回 Googleの書籍電子化サービスの著作権問題

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米国作家協会(The Authors Guild, Inc.)がGoogleに対し、書籍を無断で電子化したとして20億ドルの損害賠償請求をしました。

様々な大学の図書館に所蔵されている270万冊の書籍を電子化し、Googleで検索できるようにしているためです。
Googleは大学の図書館とは提携しているので、大学との関係は良いのですが、作家の団体から訴えられたのです。

日本でもこれとは事例は異なりますが、「自炊」が問題になっています。
書籍を裁断機でバラバラにしてスキャナで読み込み、書籍の内容を電子化するという行為です。
自分で家で行うのであれば著作権法30条の私的使用の範囲内であり違法ではありませんが、これを友達に配信するとなると複製権、公衆送信権の問題となります。
自炊を代行していた会社が訴えられ、代行業務停止した店舗もあります。
また、スキャナと裁断機のみ置いてあり、自分で自炊してください、こちらは一切、お手伝いできません、お手伝いすると「私的使用」の範囲ではなくなります、と宣言している会社もあります。

今回のGoogleによる書籍電子化、検索サービスは、到底私的使用とはいえず、大々的に行うものですから問題です。
Googleはフェアユースであると主張していますが、果たしてフェアユースとは何でしょうか?
米国著作権法107条には「批判、見解、ニュース報道、教示(教室での使用のための多数のコピーを含む)、学位取得、研究などの目的による」複製とあります。
Googleの検索サービスのための電子化による複製がすべてこれに当たるのでしょうか?
非常に疑問です。

Googleの著作権関連ニュースが先週、もう1件ありました。
削除通告(removal notice)が来ているサイトを検索結果で下位に表示するようにアルゴリズムをアップデートしたとGoogleがブログ(8/10付け)の中で発表したことです。
逆に言うと著作権侵害ではない適法なサイトが上位に表示されることになります。
これは適法なGoogle自身が著作権侵害にかなり配慮しているという証拠です。

“removable notice”(削除の通告)を受けた件数が多いサイトを下に表示するというものです。
これはサイトの内容を問わず行われます。
これはGoogleによる検索結果のクオリティを高めようという配慮でしょう。
Googleオフィシャルブログ(An update to our search algorithms)によると、直近の30日間だけで、430万を超えるURLについて、削除通告があったとのことです(http://insidesearch.blogspot.jp/2012/08/an-update-to-our-search-algorithms.html)。

違法サイトに配慮したGoogleの措置には敬意を表します。

今週のポイント

  • 米国作家協会(The Authors Guild, Inc.)がGoogleに対し、書籍を無断で電子化したとして20億ドルの損害賠償請求をした。
  • 米国著作権法の”fair use”とは、「批判、見解、ニュース報道、教示(教室での使用のための多数のコピーを含む)、学位取得、研究などの目的による」複製である(米国著作権法107条)。
  • Googleは、削除通告(removal notice)が来ているサイトを検索結果で下位に表示するようにアルゴリズムを変更した。

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