第33回 オフィスアクション具体例

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今回は、審査手続中のオフィスアクションについてお話しします。審査官が審査を進め、拒絶理由を発見したときは、オフィスアクションがなされます。日本では拒絶理由通知といわれるものです。根拠条文は米国特許法132条にあります。

“Whenever, on examination, any claim for a patent is rejected, or any objection or requirement made, the Director shall notify the applicant thereof, stating the reasons for such rejection, or objection or requirement, together with such information and references as may be useful in judging of the propriety of continuing the prosecution of his application; and if after receiving such notice, the applicant persists in his claim for a patent, with or without amendment, the application shall be reexamined. No amendment shall introduce new matter into the disclosure of the invention.”

「特許のいずれかのクレームを拒絶するとき、形式的拒絶理由あるいは要件を欠いているときは、審査官は拒絶、形式的拒絶、要件の理由を述べ、出願人にこれを通知する。これと共に、出願人の審査手続継続の判断に有効な情報や引例を送付する。当該通知受領後に出願人が特許のクレームを維持することを望む場合は、補正書と共に、あるいはこれを添付せずに、再審査がなされる。補正では発明の開示に新規事項を導入することはできない。」
つまり、オフィスアクションを通知し、出願人はこれに対し、補正をしたり、あるいは補正をせずに意見書を提出することができます。補正は添付するのが通常です。
“rejection”と”objection”という用語が出てきましたが、前者は新規性、非自明性などの実体的拒絶、後者は書面の不備などの形式的拒絶です。

オフィスアクションのサンプルは以下のようなものです。

自明性(103条)による拒絶

Application / Control Number 12/○○○,○○○
Art Unit:1000
Claim Rejections- 35 USC §103
The following is a quotation of 35 U.S.C. 103(a)which forms the basis for all obviousness rejections set forth in this Office action:
(a)A patent may not be obtained through the invention not identificaly disclosed or described as set forth in section 102 of this title the difference between the subject matter to be patented and the prior art are such that the subject matter as a whole would have been obvious at the time the inventionwas made to a person having ordinary skl in the art to which said subject matter pertains. Patentability shall not be negatived by the manner in which the invention was made.
Claims 1 and 2 are to be rejected under 35 U.S.C. 103(a)as being unpatentable over .
Asaki et a JP2000 ○○145(JP’ 145)in view of Brian et al USP ○○501(US 501).
As to Claims 1 and 2, JP’ 145 discloses a personal computer having a communication function.
USP 501 teaches a time measurement means.
At the time of invention, it would be obvious to a person ordinarily skilled in the art to combine JP’ 145 with US 501 to conceive the inventions set forth in Claims 1 and 2.

出願/管理番号12/○○○,○○○
アートユニット:1000
クレームの拒絶―米国特許法103条(合衆国法典第35 巻(35 U.S.C.))
以下は、本拒絶理由に規定するあらゆる自明性の拒絶の根拠となる米国特許法103条(a)の引用である。
「発明は、102条で規定されたように完全に同じように開示、又は記載されていない
ものの、特許を受けようとする主題と、先行技術の主題との差異が全体として、当該主題が関連する技術分野における通常の知識を有する者にとって、発明時点において自明であったときは、特許を取得することができない。特許性は、発明がなされた手法によっては否定されないものとする。」
クレーム1及び2は、浅木(Asaki)らの日本国特許出願公開2000-○○145号(日本国第145号)をもとに、ブライアン(Brian)らの米国特許第○○○501号を考慮して拒絶されるべきものとする。
クレーム1及び2に関して、日本国第145号は、通信機能を備えたパソコンを開示している。
米国特許第501号は、時間計測手段を教示している。
発明の時点で、日本国第145号を米国特許第501号と組み合わせて、クレーム1及び2に記載の発明に想到得ることは、当業者にとって自明であった。

解説

これは自明性(103条)の拒絶理由です。つまり引例1,2を合わせると、本願は自明であるという理由で拒絶しています。ここにあるように、非自明性の拒絶理由では、「引例2を考慮し(in view of)、引例1に基づき(over)自明である」という表現がオフィスアクションにおいてはなされます。つまり「通信機能を持ったパソコン」をもとに拒絶するのですが、これだけではなく、「時間計測手段」を開示した引例2を考慮し、これと組み合わせて拒絶しています。

明細書の記載要件(112条)による拒絶

Claims Rejections -35 USC 112
The following is a quotation of the second pargraph of 35 U.S.C. 112:
The specification shall conclude with one or more particularly pointing and distinctly claiming the subject matter which the applicant regards as his invention.

Claim 3 is to be rejected under 35 USC 112, second paragraph, as being unpatentable on grounds that it is indefinite for failing to particularly point out and distinctly claim the subject mutterer which the applicant regards as his invention.

Claim 4 is directed to “interactive conversation means”, and Claim 5 is directed to “conversation time control means”. This term is indefinite. Clarification action is required.

クレームの拒絶―米国特許法112条(35 U.S.C. 112条)
以下は、米国特許法112条の引用である。
「明細書は、出願人が自己の発明と考える発明の対象を特に指摘し、かつ明白に特許請求する1つ以上の請求項によりに完結するものとする。」

請求項3は、米国特許法112条第2項により、出願人が自己の発明と考える対象を特に指摘せず、かつ明白に特許請求していないものとして拒絶される。

請求項4は、「インタラクティブ対話手段」、請求項5は「対話時間制御手段」を対象としているが、これらの文言は不明確であるため、釈明されたい。

今週のポイント

  • 審査官が審査を進め、拒絶理由を発見したときは、オフィスアクションがなされる。オフィスアクションは35USC132条に規定されている。
  • オフィスアクションを通知し、出願人はこれに対し、補正をしたり、あるいは補正をせずに意見書を提出することができる。拒絶を覆すためには、補正は添付するのが通常である。
  • “rejection”と”objection”という用語がオフィスアクションでは使われるが、前者は新規性、非自明性などの実体的拒絶、後者は書面の不備などの形式的拒絶を意味する。
  • オフィスアクションでよくなされる拒絶の根拠は、103条の自明性(non-obviousness, inventive step), 112条の明細書の記載不備(defect in statement)などである。
  • 非自明性の拒絶理由では、「引例2を考慮し(in view of)、引例1に基づき(over)自明である」という表現がされる。

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