第31回 プロテスト(protest)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

特許の存続期間は出願日から20年で終了しますが、その調整がされることがあります。特許庁の処理の遅れにより特許の発行が遅れた場合です。たとえばオフィスアクションが出願日から14ヶ月以内にされなかったときは、それに応じ特許期間が延長されます。

プロテスト(protest)制度

MPEP1901
37CFR1.291

(a)A protest may be filed by a member of the public against a pending application, and it will be matched with the application file if it adequately identifies the patent application. A protest submitted within the time frame of paragraph(b)of this section, which is not matched in a timely manner to permit review by the examiner during prosecution, due to inadequate identification, may not be entered and may be returned to the protestor where practical, or, if return is not practical, discarded.

プロテストは、係属中の出願に対して公衆が提出することができ、特許出願を特定するものである場合は、出願一件書類に適合する。時間的に審査過程で審査官が検討を可能にするような態様では適合しない(b)の時間枠内で提出されたプロテストは受理されず、可能な場合はプロテストを行った者に返却され、返却が可能でない場合は却下される。

(b)The protest will be entered into the record of the application if, in addition to complying with paragraph(c)of this section, the protest has been served upon the applicant in accordance with § 1.248, or filed with the Office in duplicate in the event service is not possible; and, except for paragraph(b)(1)of this section, the protest was filed prior to the date the application was published under § 1.211, or a notice of allowance under § 1.311 was mailed, whichever occurs first:
(1)If a protest is accompanied by the written consent of the applicant, the protest will be considered if the protest is matched with the application in time to permit review during prosecution.

(b)プロテストは出願の記録に入力される。但し、以下の場合に限られる。
(c)の要件に適合する場合に加え、プロテストが1.248により出願人に送達された場合、あるいは送達が不可能な場合であって、(b)(1)項を除き、特許庁に2部、提出された場合であって、プロテストが出願公開された日、または特許査定が郵送された日のいずれか早い日に提出された場合。

解説

プロテストの要件として、出願人に送達するか、特許庁に2部提出する、ということがあります。また、時期的要件は、①出願公開がされた日、あるいは②特許査定が郵送された日のいずれか早い日より以前に、プロテストを提出するということがあります。
出願公開は、出願日から18ヶ月経過後になされるため、出願公開されることなく特許査定がなされることもあります。したがって、出願公開か特許査定のいずれか先の日より前までにプロテストを提出する必要があります。
37CFR1.211は、各米国国内出願は、出願日から18ヶ月経過後に出願公開される、という条文です。

(2)A statement must accompany a protest that it is the first protest submitted in the application by the real party in interest who is submitting the protest; or the protest must comply with paragraph(c)(5)of this section.

プロテストは、プロテストを提出する者(プロテスター)である利害関係人により提出された最初のプロテストである、という内容のステートメント(陳述)を伴う必要がある。あるいは、プロテストは、本条(c)(5)項に適合している必要がある。

(c)In addition to compliance with paragraphs(a)and(b)of this section, a protest must include.
(1)A listing of the patents, publication, or other information relied upon;
(2)A concise explanation of the relevance of each item listed pursuant to paragraph(c)(1)of this section;
(3)A copy of each listed patent, publication, or other item of information in written form, or at least the pertinent portions thereof;
(4)An English language translation of all the necessary and pertinent parts of any non-English language patent, publication, or other item of information relied upon; and
(5)If it is a second or subsequent protest by the same party in interest, an explanation as to why the issue(s)raised in the second or subsequent protest are significantly different than those raised earlier and why the significantly different issue(s)were not presented earlier, and a processing fee under § 1.17(i)must be submitted.

プロテストは、以下を含む必要がある。
(1)根拠となる特許、公開公報、他の情報のリスト
(2)(1)により列挙された各項目の関連性の簡単な説明
(3)特許、公開公報、書面による他の情報の写し、または少なくとも該当部分の写し
(4)根拠となる英語でない特許または他の情報のすべての必要かつ関連する部分の英(5)同じ利害関係人による2番目以降のプロテストである場合、2番目以降プロテストで提起された争点が、先に提起された争点とは大きく異なる理由についての説明、その大きく異なる争点が先に提出されなかった理由の説明を提出し、そして37CFR1.17によるprocessing feeが支払われる必要がある。

解説

同一の者が2件目以降のプロテストを提出する場合は、そこで述べる争点がなぜ最初のプロテストで述べられなかったかを説明する必要があります。つまり原則として最初のプロテストで争点をすべて述べなければならないという制限があります。
2回目以降のプロテストには、processing fee(手数料)を支払うことが規定されています。料金表によると130ドルと規定されています。

(d)A member of the public filing a protest in an application under this section will not receive any communication from the Office relating to the protest, other than the return of a self-addressed postcard which the member of the public may include with the protest in order to receive an acknowledgement by the Office that the protest has been received. The limited involvement of the member of the public filing a protest pursuant to this section ends with the filing of the protest, and no further submission on behalf of the protestor will be considered, unless the submission is made pursuant to paragraph(c)(5)of this section.

出願のプロテストを提出する者は、プロテストに関しては特許庁からいかなる通知も受けないものとする。ただし、プロテストが受理されたことの特許庁による承認を受領することを目的とした、公衆がプロテストと共に含めることができる自分宛のはがきの返却を除く。
プロテストを提出する公衆による関与は、プロテストの提出で終わり、プロテスターを代理してこれ以上の提出をすることはできない。ただし(c)(5)による場合を除く。

解説

プロテストは非常に制限があり、プロテストを提出した者には特許庁から何らの通知もされません。ただし、プロテスト受理確認の特許庁による通知はされます。またプロテストは原則として1回であり、前述したように、2回目以降に提出する場合は、1回目に今述べている争点を提起できなかった理由を記載します。

(e)Where a protest raising inequitable conduct issues satis¬fies the provisions of this section for entry, it will be entered into the application file, generally without comment on the inequitable conduct issues raised in it.

不公正行為を提起するプロテストが、受理に関する本条の規定を充たす場合、出願の一件書類は受理され、一般的にはこれによって提起された不正行為の争点に関する見解なしで受理される。

(f)In the absence of a request by the Office, an applicant has no duty to, and need not, reply to a protest.

特許庁による請求がない場合は、出願人はプロテストに応答する義務も必要もない。

(g)Protests that fail to comply with paragraphs(b)or(c)of this section may not be entered, and if not entered, will be returned to the protestor, or discarded, at the option of the Office.

プロテストは、(b)または(c)に適合しない場合は受理されず、プロテスターに返却され、あるいは特許庁の裁量により却下される。

改正により導入された第三者による情報提供制度

米国特許法122条(e)(1)に新たな条文が追加されています。時期的には、

  1. 特許査定の通知、
  2. 出願公開から6ヶ月または最初のオフィスアクション発効日

のいずれか遅い日のうち最先の日より以前に提出します。

今週のポイント

  • 第三者による情報提供であるプロテストは、出願人に送達するか、特許庁に2部提出する。
    1. 出願公開がされた日、または
    2. 特許査定が郵送された日

    のいずれか早い日より以前に、プロテストを提出するのが時間的要件である。

  • プロテストは、プロテストを提出する者(プロテスター)である利害関係人により提出された最初のプロテストである、という内容のステートメント(陳述)を伴う必要がある。
  • プロテストには以下の添付書類が必要である。
    1. 根拠となる特許、公開公報など、
    2. 1.により列挙された各項目の関連性の簡単な説明、
    3. 特許、公開公報、書面による他の情報の写し、または少なくとも該当部分の写し、

    4. 根拠となる英語でない特許または他の情報のすべての必要かつ関連する部分の英訳、
    5. 同じ利害関係人による2番目以降のプロテストである場合、2番目以降プロテストで提起された争点が、先に提起された争点とは大きく異なる理由についての説明

    など。

  • 今回の米国特許法改正で新たに第三者による情報提供制度が設けられ、
    1. 特許査定の通知、
    2. 出願公開から6ヶ月または最初のオフィスアクション発効日

    のいずれか遅い日のうち最先の日より以前に提出し、特許公報等を提出する。

特許翻訳のお問い合わせはインターブックスにどうぞ

技術背景を持ち、それぞれの国の法制度の事情を理解したネイティブ翻訳者が翻訳を担当いたします。
日本特許庁・米国特許商標庁・欧州特許庁・中国特許庁・韓国特許庁の出願要件に則って特許明細書を翻訳し、お客様のご要望にお応えいたします。
電話番号 03-5212-4652
お問合せはこちら

関連する記事