第30回 存続期間の調整

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特許の存続期間は出願日から20年で終了しますが、その調整がされることがあります。特許庁の処理の遅れにより特許の発行が遅れた場合です。たとえばオフィスアクションが出願日から14ヶ月以内にされなかったときは、それに応じ特許期間が延長されます。

154条

(b)ADJUSTMENT OF PATENT TERM.-
(1)PATENT TERM GUARANTEES.-
(A)GUARANTEE OF PROMPT PATENT AND TRADEMARK OFFICE RESPONSES.- Subject to the limitations under paragraph(2), if the issue of an original patent is delayed due to the failure of the Patent and Trademark Office to-
(i)provide at least one of the notifications under section 132 of this title or a notice of allowance under section 151 of this title not later than 14 months after-
the date on which an application was filed under section 111(a)of this title; or
the date on which an international application fulfilled the requirements of section 371 of this title;
(ii)respond to a reply under section 132, or to an appeal taken under section 134, within 4 months after the date on which the reply was filed or the appeal was taken;
(iii)act on an application within 4 months after the date of a decision by the Board of Patent Appeals and Interferences under section 134 or 135 or a decision by a Federal court under section 141, 145, or 146 in a case in which allowable claims remain in the application; or
(iv)issue a patent within 4 months after the date on which the issue fee was paid under section 151 and all outstanding requirements were satisfied, the term of the patent shall be extended 1 day for each day after the end of the period specified in clause(i),(ii),(iii), or(iv), as the case may be, until the action described in such clause is taken.

(b)特許期間の調整
(1)特許期間の保証
(A)USPTOの迅速な応答の保証
(2)の制限に従うことを条件として、原特許の発行が特許商標庁の以下の不作為により遅れた場合は、特許期間は、(i),(ii),(iii),(iv)に規定する期間の最終日から、これらの項に規定する行為がとられた日まで、各1日につき1日延長される。
(i)132条による通知の少なくとも一つ、151条による特許査定通知が出願日または国際出願の日から14ヶ月以内にされなかったとき。
(ii)132条による応答または134条による審判請求に対して、応答の提出または審判請求の日から4ヶ月以内にされなかったとき、
(iii)134条,135条による特許審判抵触部による決定の日以降4ヶ月以内、特許査定可能なクレームが出願に残っている場合に141条、145条、146条による連邦裁判所による決定
(iv)151条により発行料が支払い、全ての要件が充たされた日から4ヶ月以内に特許を発行しなかった場合。

解説

存続期間が延長される理由はいくつかあります。特許庁のアクションが遅くなった場合です。
132条は、特許のクレームを拒絶すべき場合は長官はその理由を引例と共に出願人に通知し、これに対し出願人は、補正するか、あるいは補正なしに反論し、出願は再審査されるという条文です。つまり、出願を拒絶すべきときは、オフィスアクションがされる、という条文です。
151条は、前回説明したように、出願が法律により特許を受ける適格を有するときは、書面による出願の許可の通知が出願人に交付、郵送され、この通知に記載した発行料を3ヶ月以内に支払うものとする、という条文です。
134条は、クレームを2回拒絶された場合には、主任審査官の決定に対し、特許審判抵触部に不服の審判を請求できるという規定です。また、再審査手続中の特許権者は、主任審査官によるいずれかのクレームの最終的な拒絶に対し、特許審判抵触部に審判請求ができることも規定しています。
141条は、特許審判抵触部の決定に不服のある出願人は、米国連邦巡回控訴裁判所(CAFC)に提訴できるという規定です。つまり、134条で特許審判抵触部に審判請求をして、その決定に不服の出願人は、CAFCに提訴できます。
145条は、特許審判抵触部の決定に不服のある出願人は、CAFCに提訴していない限りは、コロンビア特別区連邦地方裁判所に提訴できるという規定です。
つまり、

  1. オフィスアクションや特許査定が、出願日から14ヶ月以内にされなかったとき、
  2. 特許発行が発行料支払いから4ヶ月以内にされなかったとき、
  3. オフィスアクションや審判請求から4ヶ月以内に特許庁から何ら応答がされなかったとき、
  4. 特許審判抵触部に対する審判請求、この審決に対するCAFCまたは連邦地方裁判所に対する提訴から4ヶ月以内に何らアクションがされなかったときは、

特許庁のアクションの遅延という理由で、期間の最終日から、これらの項に規定する行為がとられた日まで、各1日につき1日延長されます。たとえば、オフィスアクションから4ヶ月経過した日から実際にオフィスアクションがされた日の日数分、存続期間が延長されます。

154条

(B)GUARANTEE OF NO MORE THAN 3-YEAR APPLICATION PENDENCY.- Subject to the limitations under paragraph(2), if the issue of an original patent is delayed due to the failure of the United States Patent and Trademark Office to issue a patent within 3 years after the actual filing date of the application in the United States, not including-
(i)any time consumed by continued examination of the application requested by the applicant under section 132(b);
(ii)any time consumed by a proceeding under section 135(a), any time consumed by the imposition of an order under section 181, or any time consumed by appellate review by the Board of Patent Appeals and Interferences or by a Federal court; or
(iii)any delay in the processing of the application by the United States Patent and Trademark Office requested by the applicant except as permitted by paragraph(3)(C), the term of the patent shall be extended 1 day for each day after the end of that 3-year period until the patent is issued.

3年以内の出願係属の保証
(2)項による限定を条件として、原特許の発行が実際の特許出願日から3年以内にUSPTOの不作為により遅延した場合は、特許期間は、3年の期間の最終日から特許が発行される日まで期間、1日につき1日延長される。
ただし、以下の場合は延長されない。
(i)継続審査(132条(b))により費やした期間
(ii)インターフェアレンス(135条(a))による手続により費やした期間、181条による命令の義務により費やした期間、特許審判抵触部又は連邦裁判所による再審理に費やした期間
(iii)出願人が請求したことによるUSPTOによる出願の処理遅延((3)(C)による場合を除く)

解説

181条は、政府が財産的権利をもつ発明であって、関係機関が安全保障に重要であるという見解をもつときは、特許庁長官は、秘密保持や出願公開、特許査定を保留にすることを命令する、という規定です。この規定による課される義務のために遅延しても、存続期間の調整はされないという規定です。
このほか、継続審査、特許審判抵触部、出願人が請求したことによるUSPTOの処理遅延は存続期間の調整には含まれません。ただし、154条(3)(C)は、出願人がすべての注意を払ったが3ヶ月以内に応答できなかった場合は、存続期間の全部又は一部を回復できるという規定があり、この場合は存続期間が調整されます。

今週のポイント

  • 特許の存続期間は出願日から20年で終了するが、特許庁の処理の遅れにより特許の発行が遅れた場合、たとえばオフィスアクションが出願日から14ヶ月以内にされなかったときは、それに応じ特許期間が延長される。
  • オフィスアクション、特許査定通知が出願日または国際出願の日から14ヶ月以内にされなかったときも、それに応じ特許期間が延長される。
  • オフィスアクションに対する応答、審判請求に対して4ヶ月以内に特許庁の応答されなかったとき、それに応じ特許期間が延長される。
  • 特許審判抵触部による決定の日から4ヶ月以内に何らアクションがされなかったとき、それに応じ特許期間が延長される。
  • 特許発行料を支払い、全ての要件が充たされた日から4ヶ月以内に特許を発行しなかった場合にも、それに応じ特許期間が延長される。
  • 特許庁に3年以上出願が係属されないように、存続期間が調整されることもある。
  • つまり原特許の発行が実際の特許出願日から3年以内にUSPTOの不作為により遅延した場合は、特許期間は、3年の期間の最終日から特許が発行される日まで期間、1日につき1日延長される。ただし、継続審査に時間を費やした場合などは調整されない。

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