第24回 補正および審判請求

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最終オフィスアクションを覆すには通常、補正する必要があります。補正は新規事項(ニューマター)を追加してはならないことは当然です。前々回からお話ししているように、最終オフィスアクションに対する等の検討の結果、審査官によるアドバイザリーアクションがなされ、これに対しては審判請求や継続審査請求(RCE)ができます。

補正

補正に対する関連条文を挙げてみます。

MPEP714.13

The reasons for nonentry should be concisely expressed. For example:

補正が受け入れられない理由を簡潔に示す必要がある。例えば、

(A)The claims, if amended as proposed, would not avoid any of the rejections set forth in the last Office action, and thus the amendment would not place the case in condition for allowance or in better condition for appeal.

(A)提案されたように補正しても、クレームが最終のオフィスアクションに記載されたいかなる拒絶も回避できないため、補正により本件が特許査定される状態に置かれることはなく、審判のために良好な状態に置かれることもない。

(B)The claims, if amended as proposed, would raise the issue of new matter.

(B)提案されたように補正されると、クレームがニューマターの問題を生じさせる。

(C)The claims as amended present new issues requiring further consideration or search.

(C)補正されたクレームは、更なる検討又は調査を必要とする新たな争点を提起させる。

(D)Since the amendment presents additional claims without canceling any finally rejected claims it is not considered as placing the application in better condition for appeal. Ex parte Wirt, 1905 C.D. 247, 117 O.G. 599(Comm’r Pat. 1905).

(D)補正は、いかなる最終的に拒絶されたクレームも取り消すことなく、追加のクレームを提出するため、本願が審判のためのより良好な状態に置かれるとは考えられない。

Examiners should indicate the status of each claim of record or proposed in the amendment, and which proposed claims would be entered on the filing of an appeal if filed in a separate paper.

審査官は、記録にある各クレームの状態、あるいは補正において提示された各クレームの状態、そしていずれの提案されたクレームが審判請求において受理されるか(別紙で提出する場合)を示す必要がある。

Whenever such an amendment is entered for appeal purposes, the examiner must indicate on the advisory action which individual rejection(s)set forth in the action from which the appeal was taken(e.g., the final rejection)would be used to reject the new or amended claim(s).

かかる補正が審判の目的で認められる場合、審査官は審判が提起される根拠となるアクション(最終拒絶など)に記載されたいずれの拒絶が、新規または補正されたクレームを拒絶するのに利用されるのかをアドバイザリーアクションに示す必要がある。

審判(Appeal)

審査官の拒絶に不服がある出願人は審判を請求できます。134条に規定されています。
「特許出願人がそのクレームを2回拒絶された場合は、特許審判抵触部に対し、主審査官の決定に不服を申し立てることができる。」と規定されています。

  • 審判請求書の費用
  • 審判費用620ドル/1件
  • 審判請求書の理由補充620ドル/1件
  • 口頭審理の請求1,240ドル

審判請求の期間

最終のオフィスアクションから3ヶ月以内(但し、6ヶ月まで延長可能、37CFR 1.134)
当該期間内に審判請求をしないと、出願は取り下げたものとみなされます。
審判理由補充書や費用は、審判請求書を提出してから2ヶ月以内に提出、支払いが可能です(37CFR 41.37)。
審判請求はクレームが2回拒絶された後に認められます。一人の出願人が2回の拒絶を経験したかを問わず、別人であっても2回拒絶されることが必要です。分割出願の場合、親出願が1回拒絶され、継続出願で同クレームがもう一度拒絶された場合も、審判請求が可能です。このとき継続出願は1回しか拒絶されていませんが、審判請求が可能です。
最終オフィスアクションに対して継続審査請求(RCE)を行ってしまうと、ここで拒絶されるまでは審判請求を行うことはできなくなります。たとえ継続審査請求前に2度拒絶を経験しても、継続審査請求+審判請求を同時に行うことはできません(MPEP1204)。

審判請求書の様式については、PDFを参照して下さい。
審判請求書のタイトルは” NOTICE OF APPEAL FROM THE EXAMINER TO THE BOARD OF PATENT APPEALS AND INTERFERENCES”(特許審判抵触部に対する審査官の審査に対する審判請求書)となっています。審査官の審査に不服の場合は、”appeal from examiner”という表現がよく使われます。
審判請求書の中に以下の文章が印刷されています。

“I hereby certify that this correspondence is being facsimile transmitted to the USPTO or deposited with the United States Postal Service with sufficient postage as first class mail in an envelope addressed to “Commissioner for Patents, P.O. Box 1450, Alexandria, VA 22313-
on …”

「私はここに、〜月〜日付けで本通知が米国特許商標庁(USPTO)にファックス送信され、あるいは” P.O. Box 1450, Alexandria, VA 22313″の特許庁長官に封筒に入れて第一種郵便で十分な料金と共に郵便に付されたことを証明する。」
とあります。これにより、審判請求書はファックスで送信できることがわかります。次に

“Applicant hereby appeals to the Board of Patent Appeals and Interferences from the last decision of the examiner. The fee for this Notice of Appeal is(37 CFR 41.20(b)(1))”という文章が印刷されています。

「出願人はここに、審査官による最終の決定に対し、特許審判抵触部に審判を請求する。本審判請求書の費用は、37CFR41.20(b)(1)に規定されている。」

今回の改正により、”the Board of Patent Appeals and Interferences”は、”the Patent &Trial Board”となりました。
なお、審判請求後に継続審査請求がされることもあります。審決が下る前であればRCEにより審判は取り下げたものとみなされます。継続審査請求には提出物(submission)といわれる補正書、意見書等が必要ですが、審判理由補充書などはここでいう提出物とはみなされません。
また、口頭審理の請求書フォームは、”REQUEST FOR ORAL HEARING BEFORE THE BOARD OF PATENT APPEALS AND INTERFERENCES“(特許審判抵触部に対する口頭審理の請求)として掲載されています。

今週のポイント

  • 補正は新規事項を加入してはならない。
  • 審判請求(appeal)は、最終拒絶から3ヶ月以内に行う必要がある。ただし、最大6ヶ月まで延長可能である。この期間内に審判請求をしないと出願は取り下げたものとみなされる。
  • 審判請求の理由補充や費用の支払いは、審判請求から2ヶ月以内に可能である。
  • 審判請求はクレームが2回拒絶されることが条件となる。
  • 継続審査請求と同時に審判請求をすることはできない。継続審査請求で拒絶されれば審判請求が可能である。
  • 審判請求後に継続審査請求をすると、審決前であれば審判請求を取り下げたものとみなされる。審判理由補充書などは、継続審査請求で必要とされる提出物とはみなされない。

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