第18回 査定系再審査請求

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今日は”reexamination”(再審査)についてお話しします。これは、今回の米国特許法改正と大きく関わっています。再審査には”ex parte reexamination”(査定系再審査)と”inter partes reexamination”(当事者系再審査)の2つがあります。そして今回の改正で、当事者系再審査が”ex partes review”(当事者系レビュー)という新たな制度に変わりました。それでは”reexamination”(再審査)とはどのような制度でしょうか。まずは現在の”re examination”から説明しましょう。

reexamination(再審査)とは

再審査を定めているのはUSC35 301です。

35USC 301

“Any person at any time may cite to the Office in writing prior art consisting of patents or printed publications which that person believes to have a bearing on the patentability of any claim of a particular patent”.

(いかなる者もいつでも、その者が特定の特許のいずれかの特許性に影響を与えると確信する特許または刊行物から成る書面による先行技術を特許庁に指摘することができる。)

つまり「再審査」とは、特許庁に対し、ある特許の特許性に影響を与える(つまり新規性や自明性がない可能性がある)根拠となる先行特許や刊行物を提示する手続であり、これはいかなる者も請求できます。特許権者でも第三者でも請求可能です。

ex parte reexamination(査定系再審査)とは

再審査の一つの種類である「査定系」再審査は、37CFR 1.150に規定されています。

37CFR 1.150 Request for ex parte reexamination

(a)Any person may, at any time during the period of enforceability of a patent, file a request for an ex parte reexamination by the Office of any claim of the patent on the basis of prior art patents or printed publications cited under § 1.501. The request must be accompanied by the fee for requesting reexamination set in § 1.20(c)(1).

(a)特許の権利行使期間中は、いかなる者も1.501条により引用された先行技術の特許または刊行物にもとづき、特許のいずのクレームの特許庁による査定系再審査も請求することができる。請求は1.20(c)(1)に規定の料金の支払いが必要である。

査定系再審査のフロー

再審査が開始するのに必要な要件は、”substantial new question patentability”(実質的に新たな争点)が提起されたか否かという点です。審査官は、査定系再審査が請求されてから3ヶ月以内に、実質的に新たな争点が提起されたかどうかを決定します。

37CFR 1.515(a)

(a)Within three months following the filing date of a request for an ex parte reexamination, an examiner will consider the request and determine whether or not a substantial new question of patentability affecting any claim of the patent is raised by the request and the prior art cited therein, with or without consideration of other patents or printed publications.

査定系再審査の請求日後3ヶ月以内に、審査官は、特許のいずれかのクレームに影響を与える特許性の実質的に新たな争点が、再審査請求およびその中で引用された先行技術により提起されたかどうかを決定する(他の特許や刊行物を考慮したか否かにかかわらず)。

37CFR 1.515(c)

(c)The requester may seek review by a petition to the Director under § 1.181 within one month of the mailing date of the examiner’s determination refusing ex parte reexamination. Any such petition must comply with § 1.181(b). If no petition is timely filed or if the decision on petition affirms that no substantial new question of patentability has been raised, the determination shall be final and nonappealable.

請求人は、審査官による査定系再審査を拒絶するという決定の郵送日から1ヶ月以内に、1.181により、長官に対し、請願書による再審査を求めることができる。かかる請願書は、1.181(b)に適合している必要がある。いずれの請願も提出されなかった場合、あるいは請願に対する決定が、特許性の実質的に新たな争点が提起されなかったことを肯定する場合は、決定は最終的となり不服申立ができない。

37CFR 1.530(c)

(c)Any statement filed by the patent owner shall clearly point out why the subject matter as claimed is not anticipated or rendered obvious by the prior art patents or printed publications, either alone or in any reasonable combinations. Where the reexamination request was filed by a third party requester, any statement filed by the patent owner must be served upon the ex parte reexamination requester in accordance with § 1.248.

特許権者が提出したいかなる陳述も、特許請求された主題が、(単独によるか組合せによるかを問わず)先行技術特許または刊行物からみて新規性がないということはなく、自明であることもない理由を明確に指摘する。再審査請求が第三者請求人により提出された場合、特許権者が提出したいかなる陳述も、1.248により査定系再審査請求人に送達される必要がある。

37CFR 1.535

A reply to the patent owner’s statement under § 1.530 may be filed by the ex parte reexamination requester within two months from the date of service of the patent owner’s statement.

1.530による特許権者の陳述に対する応答は、特許権者の陳述の送達日から2ヶ月以内に査定系再審査請求人により提出することができる。

37CFR 1.104

(2)The applicant, or in the case of a reexamination proceeding, both the patent owner and the requester, will be notified of the examiner’s action. The reasons for any adverse action or any objection or requirement will be stated in an Office action and such information or references will be given as may be useful in aiding the applicant, or in the case of a reexamination proceeding the patent owner, to judge the propriety of continuing the prosecution.

(2)出願人、あるいは再審査手続の場合は、特許権者および請求人の双方は、審査官のアクションを通知される。不利益となるアクションまたは何らかの拒絶、または要件は、オフィスアクションに記載され、かかる情報または引例は、出願人を支援するのに有益なように与えられる。あるいは再審査手続の場合は、特許権者が審査手続を係属する妥当性を判断するのに有用なように与えられる。

37CFR 41.31

(2)Every owner of a patent under ex parte reexamination filed under § 1.510 of this title before November 29, 1999, any of whose claims has been twice rejected, may appeal from the decision of the examiner to the Board by filing a notice of appeal accompanied by the fee set forth in § 41.20(b)(1)within the time period provided under § 1.134 of this title for reply.

1999年11月29日以前の本法§1.510により提出された査定系再審査によるすべての特許権者であって、そのいずれかのクレームが2回拒絶された者は、本法1.134による応答のための期間内に、§41.20(b)(1)に規定の料金を伴い、”notice of appeal”を審判部に提出することにより、審査官の決定に対し不服を申し立てることができる。

査定系再審査請求のフローをまとめるといかのようになります。

  1. 査定系再審査請求
  2. 特許性に関する実質的に新たな争点が提起されたか否か(3ヶ月以内に決定)
  3. ここで再審査請求が否定されても、請求人はその決定郵送日から1ヶ月以内に”petition”(請願)を提出して再審査を請求できる。
  4. 3でpetitionが提出されなければ、再審査は開始されない。
  5. 3でpetitionの結果、実質的に新たな争点が認められれば、再審査が命じられる。
  6. 2で実質的に新たな争点が認められた場合も再審査が命じられる。
  7. 再審査請求に対しては、特許権者は”statement”(陳述書)の提出が可能であり、third party requester(第三者請求人)も応答の提出が可能である。
  8. 審査官は、Office Action(Non-Final Action, Final Rejection)を発行し、これに対し特許権者は応答可能である。何ら応答がないと、”Reexamination Certificate”(再審査証明書)が発行される。
  9. 審査官がFinal Rejectionを発行すると、補正がされることがあり、
  10. Final Rejectionに対して応答がない場合は、”Reexamination Certificate”(再審査証明書)が発行される。
  11. いずれかのクレームが2回拒絶された場合は、審判部に”notice of appeal”を提出できる。

今週のポイント

  • 再審査には”ex parte reexamination”(査定系再審査)と”inter partes reexamination”(当事者系再審査)の2つがある。今回の改正で、当事者系再審査が”ex partes review”(当事者系レビュー)という新たな制度に変わった。
  • 再審査とは、特許庁に対しある特許の特許性に影響を与える(つまり新規性や自明性がない可能性がある)根拠となる先行特許や刊行物を提示する手続であり、これはいかなる者も請求できる。特許権者でも第三者でも請求可能である。
  • 査定系再審査の請求日後3ヶ月以内に、審査官は特許性の実質的に新たな争点が、再審査請求により提起されたかどうかを決定する。
  • 再審査請求が否定されても、請求人はその決定郵送日から1ヶ月以内に”petition”(請願)を提出して再審査を請求できる。
  • 再審査請求に対しては、特許権者は”statement”(陳述書)の提出が可能であり、third party requester(第三者請求人)も応答の提出が可能である。
  • 審査官は、Office Action(Non-Final Action, Final Rejection)を発行し、これに対し特許権者は応答可能である。何ら応答がないと、”Reexamination Certificate”(再審査証明書)が発行される。
  • 最終拒絶に対しては、補正が必要であり、もっと早く補正が提出されなかった正当かつ十分な理由を示すことにより認められる(37CFR 1.116)。

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