第113回 그と저の違い

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よく日本語話者が間違える表現が그と저です。日本語では,自分も相手も知っているものを,「例の」という意で「あの」で示しますが,韓国語ではこの場合は저ではなく,그で表します。「あの店どこだったっけ?」「あの人誰だったかしら?」と言うに昔のことを思い出して回想用法で使う,この「あの」が韓国語では그です。

韓国語の저것(あれ),저기(あそこ),저런(あんな),저렇게(あんなに),저쪽(あちら),저리(あちらへ)など,「あ~」で始まる言葉の使いかたは日本語より範囲が狭いのです。

韓国語で저を用いる場合は,話し手と聞き手から離れている「目に見える何か」を指します。つまり,話し手と聞き手が同時に「その物」を見ていなければなりません。向こうの方にいる人を指さして「あの人,誰?」と聞くときは저 사람 누구지?,または저 사람 누구니?と言います。저 건물은 뭡니까? と言う場合は,建物は必ず二人から見えていなければなりません。二人の間で話題になっている「見えない建物」でしたら,그 건물은 뭡니까?と言わなければなりません。

「あれはどうなったの?」これも二人に共通の話題です。しかし目の前の事柄ではありませんので그 일 어떻게 됐어?と聞かなければなりません。同じように,青春時代の「あの日」も「あの時」も「あの人」も,回想用法ですので그 날,그 때,그 사람です。

そのほかに,話の中で話題になっている物ごとや,直前に述べたことがらを指し示す時にも그を使います。
・悪いけどその話はやめてください:그건 내 거야.
・そのことはもうおぼえていません:그 일은 이젠 기억하고 있지 않아요.
・その人なりの考えがあっての行動でしょう:그 사람 나름대로의 생각이 있어서 한 행동이겠죠.

さて,もうひとつ別の그の用法があります。それは話し手から見て,聞き手の方により近いと意識される「物」を指し示すときです。
・それちょっと取ってくれる?:그거 좀 이리 줄래?
・それちょっとこっちに投げてよ:그걸 이쪽으로 던져 줘.
・それは私のよ:그건 내 거야.

まとめです。
目に見えるものを指すときは日本語も韓国語も同じです。
この:이(話し手が持っている,話し手の近くになるもの)
その:그(聞き手に近いもの)
あの:저(話し手と聞き手の両方から離れているもの)

しかし,目に見えない人や事柄を指すとき日本語では「その」と「あの」の区別があるようですが,韓国語では「その」も「あの」も区別しないで그で表します。

つまり,具体的な物を指さすとき以外,저は使われません。話題の上での物事を指し示したり,昔を思い出して回想するときに物を示したりすときは그を使います。

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