第81回 馬とことわざ

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今回は午年にちなんで,「馬」の付く言い回し,ことわざや四字成句などを見てみましょう。

韓国には‘사람은 서울로, 말은 제주도로’(人の子はソウルへ,馬の子は済州へ)ということわざがあります。「人はソウルに行かせることによって,いろいろなものを見聞きし成長し,馬は本場の済州島に送ってこそ立派な馬になる」,つまり教育は,その子に適したところで受けさせるのが大切だという意味です。済州島が馬の生産がいかに盛んで質が高いのかを如実に伝えていることわざです。

天然記念物にも指定されている済州の在来種の馬・제주마は,おとなしく人懐っこい性質であると同時に,強靭な体質を持っています。別名조랑말といい,1276年にモンゴルが朝鮮半島を支配した時,済州島に初めて持ちこまれたという説があります。毛色は茶褐色,乳白色で,小型の馬なので,과하마とも言われています。これは漢字で書くと「果下馬」,つまり‘과일나무 밑을 지나다닐 정도로 작은 말’と言う意味です。それほど小さい馬なのです。

馬のつくことわざで有名なものと言えば‘발 없는 말이 천리 간다’が挙げられます。直訳すると「足の無い馬が千里を駆ける」とでも言うのでしょうか。ここで발 없는 말というは,比喩的に「うわさ話」のことを言います。つまり말(馬)と말(言葉)をかけ言葉にしたものです。つまり,うわさ話はあっという間に千里(今の距離にして約400メートル)をも駆け巡るので,「言葉に気をつけなさい」という戒めのことわざです。

ここで馬の말は「マル」,言葉の말は「マール」と長く伸ばして発音しますが,会話では文の流れで意味がわかるので,日本語の「オバサン」と「オバーサン」のように厳格に区別して発音しなくても意味が通じます。試験問題などで,どちらが長いか短いかを問う問題が出たら,馬はパカパカと走りますから,短く「マル」,言葉はああだこうだとだらだら続きますから,長く「マール」と覚えておくといいでしょう。両方覚えるとわからなくなってしまいますので,どちらか一方だけ覚えておくのがコツです。

さて馬のつくことわざといえば,すぐ思いつくのは「馬の耳に念仏」ですね。人の意見や忠告に耳を貸そうとしないことをこう言いますが,韓国語では馬ではなく,牛の耳に経を読む,つまり‘우이독경〈牛耳讀經〉’といいます。似たような意味のものに‘마이동풍〈馬耳東風〉’があります。これの関連したことわざで,値打ちがわからない者には,そのありがたみがわからないと言う意味で,「猫に小判」や「豚に真珠」というのがありますが,韓国語にあるのは‘돼지에 진주’のみです。「猫」はやはり韓国人にはあまり好かれていないようです。

‘가는 말에 채찍질한다’ということわざもあります。これは読んで字のごとく,「走る馬に鞭打つ」という意味です。つまり「一生懸命にやっている人をもっと追い立てる」ことで,四字熟語では‘주마 가편〈走馬加鞭〉’といいます。

四字熟語として有名なものには‘천고마비〈天高馬肥〉’,つまり「天高く馬肥ゆる秋」です。これはとくに説明は要らないでしょう。‘죽마고우〈竹馬故友〉’は字のごとく「竹馬の友」です。竹馬に乗って一緒に遊んだ幼い頃からの友達と言う意味で,「幼ななじみ」のことです。불알친구と言う言い方もありますが,これはともに男の子を指した言い方です。女の子の場合は소꿉동무といいます。소꿉동무の소꿉というのは「ままごと」で使うおもちゃのことで,「ままごと遊び」は소꿉놀이といいます。しかし동무が北朝鮮式の言い方だと言うことで韓国では소꿉친구と言い換えています。

「南船北馬」,これも中国由来の四字熟語で남선북마といいます。中国の南部は川が多いので船を使い,北部は山や平原が多いため馬を利用して旅をしたと言うわけで,全国各地を旅すること,頻繁に,せわしなく旅をしていることをこう言います。동분서주〈東奔西走〉も似たような表現です。また「馬」の入った주마간산〈走馬看山〉と言うのもあり,こちらも走る馬の背にまたがって,ざっと景色を見る,つまり「念入に見ないで大ざっぱに目を通す」という意味で使われています。

もう一つ忘れてならない故事成語に읍참마속と言うのがあります。ハングルだけですとちょっと見当がつかないと思いますが,漢字で書くと〈泣斬馬謖〉,つまり「泣いて馬謖を斬る」という意味です。諸葛亮が「全体の規律を守るためには,たとえ愛する者であっても私情を捨て処分する」と,涙を流して愛弟子の馬謖の処刑に踏み切ったという「三国志」の故事に基づくものですが,つい先日の金正恩の張成澤処刑とは,大いにその内容もレベルも異なるものです。

「人生いろいろ」という歌の歌詞がありましたが,この歌のように「人間万事塞翁が馬」です。韓国語でもそのまま‘인간 만사 새옹지마’,略して‘새옹지마〈塞翁之馬〉’といいます。みなさんの今年の人生はどんな波瀾万丈に満ちたものになるでしょうか。

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