第74回 ネットが韓国語を変えてしまう!

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元来,人の苗字や名前の後ろには정호연 씨, 정 씨, 호연 씨のように,씨を付けて尊敬の意味を表して呼んでいましたが,いつごろからか,김 씨のように,姓に直接씨を付けて呼ぶと相手に対して非常に失礼になると言われ,避けるようになりました。そしてその代わりに使われ始めたのが님という語なのです。

もともと님は,선생님や형님,また달님,햇님のように接尾辞として使われる言葉です。最近になって銀行などで,客を呼ぶときに정호연 님とか박규호 님のように依存名詞としても使われるようになりましたが,ある歳以上の人は,いまだ違和感を感じます。

若い人の中にはこの님のほうが,씨よりももっと尊敬の意味が強いと思っている人さえいます。さらに最近では一歩進んで,インターネット上で님が二人称代名詞として使われる例が見られます。

韓国語には,英語のyouにあたる適当な言葉がありません。ネット上では互いの身分を明かさないで対話を交わします。ですから,相手が自分よりも年が上なのか下なのかわかりません。こういう場合に都合がいい言葉として,youにあたる님が使われるようになったのです。

ところで,韓国語には相手を高めて言う二人称代名詞がありません。ですから선생님께서는 지금 무슨 일을 하고 계십니까?というように선생님という単語を使ってごまかしてきました。この会話は生徒が学校の先生に対して直接聞いているのではありません。ここでの선생님は一般名詞です。

年下や同等の相手に対する二人称代名詞には너,자네,자기,당신,그대などがありますが,初対面の,それも年がわからない相手には使えません。너や자네は年下の相手に使う言葉ですし,당신は,けんかなどで相手を見下して使う言葉です。また자기は恋人や夫婦の間で互いに呼び合うときの言葉です。そして그대は書き言葉で使われる言葉です。

このような理由から,インターネット上で相手を上に見て使う言葉として,님を持ってきて使うという創意的な考えが生み出されたのだと推測されます。

  • 난 ‘님’보다 나이가 많아요.
  • ‘님’은 뭘 하시나요? (相手の職業を聞くとき)

このような表現は,最初のうちには不自然に見えても,言葉はだんだんと世の中になじんでいくものです。

そういえば,昔の韓国語のテキストに登場していた미스 김,김 양,미세스 김,미스터 김などという呼びかけのことばもいつの間にか姿を消してしまいましたね。

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