第59回 特殊部位

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チャドルバギ(차돌박이)

チャドルバギ(차돌박이)

さすが韓国は肉の国です。肉のいろいろな部分にそれぞれの名前が付いています。みなさんは등심, 안심, 갈비ぐらいしかわからないと思いますが,今日はちょっと深く특수부위(特殊部位)と呼ばれる部分について勉強してみましょう。

まず,前足(앞다리)の中間部分に位置するのが부채살と呼ばれる部位です。ここは菱形態の肉の塊で,内部にスジを含んでいますが,適当に脂肪が付いている部分です。このように霜降り状態がいいというのは마블링이 좋다と表現します。

ユッケ(육회)

ユッケ(육회)

続いて肩甲骨(견갑골)の左側の唐辛子模様の肉塊で,内部に強いスジがある꾸리살と呼ばれる部位です。ここは육회として使われます。

牛の胸の骨と肉のことを양지というのですが,この胸骨と軟骨の外側に位置する,鮮紅色の肉色の白い脂肪が付いているところは차돌박이といい,肉質がやや固い部分です。辞書には牛の肋間の霜降りと書いてありますが,この脂肪もすき焼き肉の霜降りとは違って,ちょっと固めです。ふつうは薄く切って焼いて食べますが,とても薄いので,あっという間に焼けてしまいます。ここで차돌というのは石英のことです。

さて,よく議論されるのは차돌백이が正しいのか,차돌배기がなのか,はたまた차돌박이なのかです。石英がちりばめられたような肉(차돌이 박힌 것처럼 보이는 고기)と言うことですから,차돌박이が正しい綴りです。

このほかに치마살と言う部位があります。これも焼き肉用に使われる部分で,양지の後ろの部分に位置し,スカートのような形をしているのでこう言われます。やや筋肉質で噛むとこりこりします。

우둔살は,書いて字のごとく牛の尻(牛臀)の肉です。後ろ足(뒷다리)の内側部分で,산적という串焼きか육포(ビーフジャーキー)に使用されます。

사태という部分もあります。これは牛の膝の後ろ側の肉です。とくに後ろ足の部分を아롱사태といい,찜などの煮込み用として使われます。

도가니살も後ろ足の部分です。도가니というのは무릎도가니ともいい,牛の膝の部分の肉で,牛の膝蓋骨とその付近の肉を柔らかく煮こんだものは도가니 수육です。수육というのは숙육〈熟肉〉が変化したもので「煮込んだ牛肉」という意味ですね。

さて,ここでちょっと脱線しますが,もう도가니の一つの意味はというと「るつぼ」です。金属を強く熱する時に用いる耐熱性の容器のことで,漢字で書くと「坩堝」で「坩」は土製の容器,「堝」は陶製の容器の意味だそうです。

「スタンドは興奮のるつぼと化した(경기장은 흥분의 도가니로 변했다)」という表現でよく使われますが「熱狂した雰囲気がその場を支配すること」をこう言います。

●류현진 삼진 퍼레이드에 다저스타디움 열광의 도가니
(柳賢振の三振パレードに,ドジャーススタジアムは熱狂のるつぼ)

また,「るつぼ」は,異質のものが渾然としていることの比喩にも使われます。

●인종의 도가니라고 불리는 미국에서는 인종뿐만 아니라 종교, 문화, 경제 등에 걸쳐서 차이가 크며 시민의 이해도 대립하기 쉽다.(人種のるつぼと呼ばれるアメリカでは,人種だけではなく宗教,文化 ,経済などの差が大きく,市民の利害も対立しやすい)

さて話を元に戻しましょう。何と言っても焼き肉は갈비ですね。この갈비と呼ばれる部位に属するのが토시살,안창살,제비추리です。

토시살は膵臓,脾臓にくっついた横隔膜の赤身肉で,一頭の牛からは一つ(300~400 g)しか取れない希少部位です。幅7センチ,長さが25センチほどのT字の形をしています。토시というのは防寒用に腕に巻く「腕抜き」のことで,この肉はそれに似た形をしていることから,こう呼ばれています。

안창살は토시살に続く横隔膜の部分です。안창というのは「靴の中敷き」のことで,それに似た形をしているのでこう呼ばれます。牛一頭からだいたい10人分ほどしか取れない稀少部位です。

そして제비추리は,あばら骨の内側にある肉です。これも軟らかいので焼き肉用としてよく使われます。形がツバメ(제비)のしっぽのように見えることからこう言われているようです。

どうですか,少しは肉の部位に関する単語をマスターしましたか。豚肉にはまた豚肉専門の用語があるですね。それはまたの機会にしましょう。

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