第48回 ソウル言葉と標準語

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のり巻き イメージみなさんは「のり巻き」のことはどう発音しますか。[김ː빱]と発音するのはソウルを含む京畿道地域の方言で,標準語の発音は [김ː밥]です。효ː과〈効果〉を[효ː꽈],교과서〈敎科書〉を [교꽈서]というように,平音を濃音化させて発音する傾向はソウル方言の特徴なのです。みなさんは韓国のドラマを見ていてこの「ソウル言葉」を耳にすることが多いと思います。生粋のソウルっ子のことを서울 토박이といいますが,この서울 토박이のよく使う例を少し挙げてみましょう。まず,次の2つの文を見てください。

  • 철수는 집에 가고, 영희는 학교에 갔어요.
  • 철수는 집에 가구, 영희는 학교에 갔어요.
  • 지금 밖에 눈 오고요, 바람도 불어요.
  • 지금 밖에 눈 오구요, 바람도 불어요.

 
言葉は元来発音しやすいようにできています。私たちが話すとき[집에 가구][-오구요]と言った方が,[집에 가고][-오고요]より楽に発音できます。もともとは[-고]は[-구]だったのです。しかし学者たちの間で[-구]はどこか,田舎くさい感じがする発音だと言うことで[-고]に変えられてしまったのです。つまり[-고]は後になって作られた,ちょっぴり洗練された響きのある言葉なのです。

韓国の標準語の定義は,교양있는 사람들이 두루 쓰는 현대 서울말(教養ある人々があまねく使う現代のソウルの言葉)と言うことになっています。ですからみなさんは,漠然と韓国の標準語はソウルの言葉だと思っているでしょう。しかし必ずしもそうではないのです。

長い間,政治・経済・社会・文化の中心地だったソウルの言葉が,標準語の基本になっていることは間違いありません。しかし東京や横浜など首都圏にも方言があるように,韓国の首都圏であるソウル地方(京畿道)にも서울 사투리(ソウルなまり)と言うものが存在します。ソウルなまりは,発音上,少しの差が見られる程度で,他の地方のなまりのように,それほど極端ではありません。

有名なハングル学者・최현배(崔鉉培)(1894~1970)の우리말본という本には「ソウルなまりは『음성모음(陰母音)』をよく使う」と書いてあります。陰母音というのは어,여,우,유,으,웨,위,의のことです(*아,야,오,요,외,왜などは陽母音)から,先ほどの例の,그리고を그리구,하고を하구と言うようなものです。

つまり철수는 집에 가구, 영희는 학교에 갔어요.と言うときの[-구]は,ソウルの言葉だったのですが,発音が「ダサい」という理由で,標準語としては採用されずに[-고]が標準語として制定されたのです。앉다(すわる)の命令形を앉어라というのもソウル方言です(もともとは앉아라)。

これとは反対に,もともと고맙다,반갑다などは고마’와’,반가’와’と活用していたのですが,ソウルの方言につられて,고마’워’,반가’워’のように,標準語自体が変わってしまっている例もあります。このように標準語は,なまりから派生したものもあり, ある言葉を美しく変えて作ったりしたものもあります。

海に生息する「ほや」も,最初に決めたソウルの言葉である우렁쉥이が定着せず,方言である멍게を使う人が多かったので,멍게にも標準語の資格を与えるようになり,今では멍게,우렁쉥이の両者を標準語として定めています(複数標準語)。

「毎日のように」という意味の맨날も標準語の仲間入りをしました。今までは만날だけが認定されていたものです。

짜장면もはれて標準語の仲間入りを果たしました。これも今までは자장면だけが認定されていました。

★北朝鮮の標準語は,平壤の言葉を基準にとして発展させたもので문화어〈文化語〉といいます。

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