第189回 書き言葉と話し言葉

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読者の方から1つ質問をいただきました。

書き言葉と話し言葉で、「文字が違うけど意味は同じ」という場合がありますが、何か意識しておけば「時間短縮で分かるようになる」と言った「便利さ」がないものしょうか?

なるほど。確かにそういうものって多いですね。

どの言語も、話し言葉と書き言葉は多少違うものです。日本語でも新聞とかで「難しい情勢だ」というところを「っていうか、無理だし」と書いてあったらびっくりしますよね(笑)。

中国語は、書き言葉と話し言葉がかなり違うような気がします。だから、ちょっと慣れないと書き言葉は読みにくいです。いくつか例を出しますが、残念ながらあまり「便利な覚え方(?)」のようなものは、伊藤は持ち合わせていないので、質問者の方はがっかりされるかもしれません。あらかじめ謝っておきます。申し訳ないです。

ただ、漢字の元々の意味を考えておくと、少し覚える時の助けになるかもしれません。

いくつかご紹介しましょう。

「就」と「便」

副詞の「就jiù」は、その前に述べられていることが成就すれば、次に書かれていることが発生する、というニュアンスを表します。

例:只要多听多说,就能学会外语。
zhĭ yào duō tīng duō shuō, jiù néng xué huì wài yŭ
たくさん聞きたくさん話しさえすれば、外国語はマスターできる。

この「就」は、「たくさん聞きたくさん話す」ということが成就すれば、「外国語をマスターできる」という状況が発生する、ということを表しています。そしてこの「就」は、実は書き言葉では「便biàn」に置き換えることができます。

例:只要多听多说,便能学会外语。

「就」も「便」も、前に述べられた状況の後に、次に述べられる状況がスムースに発生することを表していますよね。「便」は日本語でも「便利」「交通の便」などの単語で使っている字ですし、「スムース」という言葉とニュアンスが少しリンクするように伊藤は思っています。だから「便biàn」は、「就jiù」と同じように使われるようになったのだな~と伊藤は覚えました。「就」のほうは、「成就」からきてるのかな?と無理に関連付けています(笑)。

ちょっとこじつけかなぁ。でも語学にはこじつけって大事だと僕は思っています(笑)。

「把」と「将」

「把」字句は、もう皆さん習いましたか?「把」は目的語を導く前置詞です。例えば:

母亲把那本书买回来了。
mŭ qin bă nà běn shū măi huí lai le
母親はその本を買って帰ってきた。

このように目的語「那本书(その本)」をどのように処置したか(この文の場合は「买回来了(買って帰ってきた)」)を強調する構文です。

そして実は書き言葉では、「把」の代わりによく「将jiāng」が使われるのです。

「把」の方は、僕にはよく分かる気がします。「把」は日本語でも「把握」という単語があるように「つかむ」というような意味があります。つまり、「その本」を手につかんで、その後どのように処置するか(この文では「買って帰ってくる」という処置)、というのが目に見えるような気がします(実際に手に持たなくてもいい。あくまでイメージです)。

「将」という字には、実は「率いる」という意味があります。ほら、「将軍」という言葉を見れば一目瞭然。「軍を率いる人」という意味なのですね。

ですから「その本」を率いて(自分に従えて?)、その上で「買って帰ってきた」となるわけですね。そういうところから、結局「把」と同じような働きをする前置詞になってしまったわけなのでしょう。(実際に自分の部下のようにして引き連れなくてもいい。あくまでイメージです。)

中国語って、漢字の意味が実はかなり生き生きと息づいているようですね。今まで不思議に思っていたことが、漢字の意味を調べてみると解決した!なんてことも少なくありませんので、皆さんもちょっと漢和辞典を調べてみませんか?

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