第187回 またまた歇后语

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

このところ生徒さんたちも面白い質問してくれないので、ブログのネタが思いつきません(生徒さんのせい?・・・笑)。

そんな時のための三国志ネタってことで、今日もまた三国志関係の「歇后语」をご紹介しま~す。

「歇后语xiē hòu yŭ」というもの、以前もご紹介しましたが、覚えていらっしゃいますか?

例えば(前にも書きましたが):

孔夫子搬家
kŏng fū zi bān jiā
孔子の引越し

と、まず言います。でもこれは表面的な意味だけではなく、裏の意味があるのです。この場合の裏の意味とは:

尽是书。(尽是输。)
jìn shì shū
直訳:すべて本ばかり(すべて負けばかり)。

つまり、「孔子様のお引っ越し」と言えば、「本ばっかりなんだろうな」と思い浮かべるわけです。ここまでで終わりの歇后语もたくさんありますが、この歇后语はもう1段裏があります。つまり「书shū(書籍)」と「输shū(負ける)」が同じ音なので、それを利用し、「尽是书。(すべて本ばかり)」→「尽是输。(すべて負けばかり)」となるわけです。

具体的には、例えば何か勝負事の結果がすべて負けばかりだった場合に「孔夫子搬家」と行ってみるといいわけです。すると聞いている人がピンとくるわけですね。

こういう言葉遊び、結構古くからよく使われる決まったものが結構あるのです。眺めているだけでも結構楽しいです。今日も2つほどご紹介しましょう。

刘备借荆州

liú bèi jiè jīng zhōu
(直訳)劉備が荊州を借りる

その心は?

有借无还
yŏu jiè wú huán
借りるだけで返すことは無い

映画『レッドクリフ』で有名になった「赤壁の戦い」では、劉備軍と孫権軍は同盟を組んで、ともに曹操軍と戦ったわけですが、そんないつまでも同盟関係が続くものではありません。

呉は多大の犠牲を払ったのだからその見返りに「荆州」という土地が欲しいのです。ここは呉が古くから欲しいと思っていた土地だったので、当然の権利と呉は考えています。

しかし当時まだしっかりした拠点の無かった劉備も「荆州」がほしくてたまりません。そこで隙を見て呉より先に「荆州」をとってしまいました。

呉の孫権は激怒しました。そこで使者を派遣して「荆州」を返還するよう劉備に迫りましたが、アレコレと理由をつけて返そうとしません。これにより、両国は同盟を組みながらも領土問題でいがみ合うようになっていったのです。

この歇后语は、「荆州」をめぐる領土問題のことを言っているのですね。

なんだか、日本とロシアの北方領土問題のようですね。実効支配されてしまうとなかなか難しいです。

ちなみにこの後「荆州」は呉に力でもぎ取られてしまいます。当時「荆州」を守っていた関羽(劉備の義兄弟)はこの時呉に殺されてしまい、両国の関係は最悪なものになっていくのでした。

东吴招亲

dōng wú zhāo qīn
(直訳)呉が婿を取る

その心は?

弄假成真
nòng jiă chéng zhēn
嘘が本当になる(嘘から出たまこと)

まず、三国志で出てくる「呉」の国は、中国語ではよく「东吴」と呼ばれています。それから、「招亲」で「婿を取る」という意味なのですね。これも覚えておきましょう。

さて、先ほど上でも述べた劉備側と呉の国との領土問題ですが、呉は「荆州」を取り返すために様々な手を使ってきます。その様々な手のうち、劉備に孫権の妹を娶わせようというのがありました。

どういうことかというと、当時奥方がいなかった劉備に、呉の孫権の妹を娶わせることにして劉備を呉に招き、その時に劉備を殺してしまおうという策略です。

当然策略ですから、孫権はかわいい妹(当時17歳くらいと言われています)を50歳くらいの劉備に嫁がせるなんて考えてもいません。だから当然家族等にも言わずに事を進めようとしたのです。

しかし、策略とわかって呉に乗り込んだ劉備は、呉についたらすぐに人々に劉備と呉君の妹との婚儀の話を広めて既成事実にしようとします。当然孫権の母親の耳にもその噂が入り、孫権は後に引けなくなってしまいます。そして実際に孫権の母親は、劉備を見るとすっかり気に入り、孫権の妹との結婚を認めてしまいました。

孫権は劉備を殺すこともできず、かわいい妹を劉備に取られてしまうことになるのでした。

というわけで、この歇后语は「嘘から出たまこと」という意味で使われるようになったのです。

どうですか?こういう言葉にも裏に色々なエピソードを背負っていて面白いですね。また機会があったら(というより、ネタがなかったら…笑)、ご紹介したいと思います。

中国語翻訳のお問い合わせはインターブックスにどうぞ

それぞれの国の事情を理解したネイティブ翻訳者が翻訳を担当いたします。
台湾語をはじめ北京語、広東語、上海語などの方言や簡体字、繁体字などにも対応しています。
電話番号 03-5212-4652
お問合せはこちら

関連する記事