第186回 読み方は同じ

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衣類を身に着ける時、日本語だと色々な動詞を使い分けますよね?

ふつう、服は「着る」と言いますが、上半身にしか使えないようです。下半身だと「ズボン」「パンツ」等は「穿く(はく)」。もっと下に行って靴下や靴だと「履く(はく)」になりますね。

日本語で面白いのは、同じように「はく」と発音していても漢字を書き分けることです。音が同じで意味も似ているけど漢字を書き分けるということは、意識の中では両者の違いは無いけど中国から輸入した漢字ではパンツを「はく」時と靴を「はく」時では別の字を使っているから書き分けることにした、というところなのでしょうか。

こういう例は日本語の中にはたくさんあり、漢字テストとかクイズでよく狙われますよね。

日本語ほどではありませんが、中国語にもそういうものがあります。入門レベルの人でもすぐ思いつくものがあるでしょう?

そう。三人称の代名詞。

男性だったら「他」、女性だったら「她」、人間でないものは「它」と書きますが、いずれも読み方は同じ「tā」です。

つまり、音声だけで会話している場合は、「tā」と言ってもその人が男性なのか女性なのか、はたまた人間なのか動物なのか無生物なのかすら分からないわけです。まぁ分からなくてもそんなに困らないように僕は思いますが(伊藤大雑把なので…笑)、字で書く時はキチンと区別するのです。

ちなみに、台湾では二人称代名詞も男女で区別するそうです。

音はいずれも「nĭ」なのですが、書く時は、男性なら「你」、女性なら「妳」と書くのだそうです。大陸の方では男女関係なくニンベンですが、台湾では書き分けるのですね。

「de」も上記と同じような例なのではないかなぁと思っています。

軽声で「de」と読むものは、例えばこんなのがありますね。

他是我的朋友。
tā shì wŏ de péng you
彼は私の友達です。

この文の中の「的」という字は「de」と読みます。ご存知でしょうけど(笑)。

他にもこんな字を「de」と読みます。

他中文说得很不错。
tā zhōng wén shuō de hěn bú cuò
彼は中国語を話すのがとても上手い。

そう、程度補語(様態補語)の文の「得」という字も「de」と読むのでした。

この、程度補語で出てくる「得」という字、人によって、もしくは時代によって(?)「的」と書いている場合も結構多いのです。

たとえば、以下の言い方は、両方の字で見たことがあります。

他说得很对。
他说的很对。
tā shuō de hěn duì

前者の書き方だと程度補語なので、「彼」が行う「言う」という行為が「とても正しく行われた」ということで、要するに「彼の意見は正しい」というような意味になるでしょうか。

後者の書き方だと、「他说的」の後に何か「意见yìjiàn(意見)」のような名詞が省略されていて「彼の言う(意見?)」はとても正しい、という意味になるでしょうか。

要するに、どちらで書いても意味は全然変わりませんよね。

どちらで書いても構わないということは、中国人の頭の中では両者に明確な違いが無いということだと思います。

僕たちは両者をキッチリ分けて教えられるので、両者は全然別物という意識だと思いますが、中国人の頭の中では両者の違いはそんなに大きなものではないのかもしれませんね。

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