第179回 否定が好き?

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僕のある友人、よく中国人や台湾人と英語でチャットをしているそうです。

彼によると、「How are you ?」と投げかけると、「Not so bad.」と返してくる人が結構いるのだとか。

どうしてこういう少し捻じ曲がった表現で返してくるのだろうか、と彼は言うのです。もちろんこの答えでもおかしくはない、けどどうして「Fine !」と言ってこないのか、と。

で、もしかしたら中国語の影響なのかな?というわけで伊藤に尋ねてきたのです。

なるほど〜。面白い発見かもしれませんね。

この話を聞いて、ちょっと思い当たることがありました。それは、中国語って結構否定表現が好きなんじゃないかな?ということです。

たとえば、「好hăo」という形容詞、よくご存知ですよね?「よい」という意味です。

この「好」という形容詞の対義語って何でしょうか。

もちろん、「坏huài(悪い)」でしょうね。

でも、たとえば「私が悪かった」なんて言う場合、

是我坏!
shì wŏ huài

よりは、

是我不好!
shì wŏ bù hăo
(直訳:私が良くなかった)

というほうが多いのではないでしょうか。

また、「好き」の対義語は「嫌い」でしょうが、中国語ではどうでしょう。

「好き」は「喜欢xĭ huan」ですよね?「嫌い」は何でしょう。「讨厌tăo yàn」がいいでしょうかね。

でも例えば「私は辛いのは嫌いだ」と言いたい場合、

我讨厌吃辣的。
wŏ tăo yàn chī là de

でももちろん構わないですが、なんだかものすごく嫌いみたい(笑)。ふつうは次のような言い方になるのではないかと思います。

我不喜欢吃辣的。
wŏ bù xĭ huan chī là de
(直訳:私はからいのを食べるのが好きではない)

つまり、はっきり「坏」とか「讨厌」という表現を使うときつすぎるので、反対の意味の形容詞や動詞の否定形を使って表現を少し和らげる、ということをしているような気がします。

最初に言及した「Not so bad.」もそんな気持ちの表れなのかな?はっきり「元気だ」というほどでもないけど、病気でもないし、みたいな(笑)。

否定することで肯定を表すような表現、中国語には多いかもしれません。たとえば、こんな表現を知っていますか?

不见不散
bú jiàn bú sàn
(直訳)会えなければその場を去らない

これは、待ち合わせの約束をした時に最後に言うお決まりの台詞です。「不见」は「会わない」という意味、「不散」は「散らない」ということから、その場を去らないという意味になります。つまり、会えるまで帰らない!という意味です。なんだか回りくどいというか、なんというか。。。もっとはっきり言うと「絶対来てね!」という意味ですよね。

不打不成交
bù dă bù chéng jiāo
(直訳)けんかしなければ友達になれない

日中間で関係がギクシャクした後、関係を修復する際に時として聞かれる言葉です(笑)。日本語では、もっとすっきりした表現のコトワザがありますね。

雨降って地固まる

一般には日本語より中国語の方が単刀直入だと言われていますが、実は中国語でも、否定表現を使うことで少し意味を和らげたり、反対に強調したりということが、結構行われているのですね。改めて否定表現を色々見直してみようと思いました。

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