第178回 「あ〜た」?「だ〜め」?

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ずっと前のメルマガで、軽声について取り上げたことがありました。
第1声+軽声は、「箸(はし)」という単語を子供に教えるつもりで「は〜し」という時の調子で。
第2声+軽声は、「あなた」というのを冗談で「あ〜た」というつもりで。
第3声+軽声は、赤ちゃんやペットが悪さしたのを叱るつもりで「だ〜め」という時の調子で。
第4声+軽声は、「パンツ」「タンク」「鈍器」「効果」「生糸」「詩歌」というような言葉を言う時の調子で。
とまぁ、こんなことを書いたのですが、実は「第3声+軽声」はちょっと注意が必要なことがあります。例えば、次の単語を声に出して読んでみましょうか。

  1. 姐姐jiě jie(お姉さん)
  2. 姥姥lăo lao(母方の祖母)
  3. 饺子jiăo zi(ギョウザ)
  4. 椅子yĭ zi(いす)
  5. 哪里nă li(どこ)
  6. 想法xiăng fa(考え方)
  7. 小姐xiăo jie(お嬢さん)
  8. 想想xiăng xiang(ちょっと考えてみる)

ピンインを見ると、全て「第3声+軽声」と表記されています。でも実はこの中に、実際の発音では「第2声+軽声」のように読むものが含まれています。わかりますか?
そう、実は前半の4つ(1〜4)は「第3声+軽声」で読みますが、後半4つ(5〜8)は実際の発音では「第2声+軽声」で読むのです。
つまり、ピンインでは「第3声+軽声」のように表記されていても、「第3声+軽声」と読む場合と「第2声+軽声」と読む場合がある、というわけです。
なんだか、いやらしいですよねぇ(笑)。見てわかるようにしてくれればいいのに。
まず、「第3声+軽声」と表記されているのに「第2声+軽声」と読まれる可能性があるのは、2文字目が元々第3声の音を持つ場合のみです。
つまり「打算dă suan」の場合は「算suàn」という字が元々第4声の字なので、「打算」を「dá suan」と発音することはありえません。ですから2文字目が元々第3声以外の字であれば、安心して「第3声+軽声」の発音で読めばいいのですね。
ところが、上に挙げた1〜8の単語は、全て2文字目の字が元は第3声の字です。(「子zĭ」「里lĭ」「法fă」)
5〜8の単語が「第2声+軽声」で発音されるのは、つまり「第3声+第3声」が「第2声+第3声」に変調する時と同じように扱われるからです。
では、1〜4の単語はどうして変調しないのでしょうか。
それは、2文字目の字に、あまり意味が無いからです。
「姐姐」「姥姥」は、同じ字を2回続けていますが、「姐」や「姥」だけでは単語になりません。2つ重ねられて初めて1つの単語となるのです。でも2つ重ねられて新たな意味が加わるわけではありません。
「饺子」「椅子」の「子」という字も、特に意味があるわけではありません。「饺」や「椅」だけでは単語と認められませんが、「子」がついても新たに意味が加わるわけではありません。
このように、2文字目に意味がない場合は実際の発音も「第3声+軽声」と発音するようです。

5〜8の単語は、2文字目にも意味が残っています。
5「哪里(どこ)」は「里」がなければ「どれ」という意味になってしまいます。
6「想法(考え方)」は「法」がなければ「考える」とか「〜したい」という意味になってしまいますよね。
7「小姐」に至っては、「小」よりも「姐」の字のほうが重要な役割を担っています。
8「想想(ちょっと考えてみる)」は動詞の重ね型で、「想(考える)」と言う場合と比べるとニュアンスが少し変ります。

というわけで、2文字目の字に何らかの意味や役割がある場合(それがある時と無い時で何らかの違いがある場合)は、実際の発音は「第2声+軽声」となるのです。
ちょっと厄介に思うかもしれませんが、上記の違いを意識しつついくつかの単語を覚えていけば、その内体にしみこんで、考えなくても正しく発音できるようになると思うので、まずは地道に覚えていきましょうね。

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