第174回 表現しきれない

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先日本欄で、ある言語では表現できるニュアンスが、別の言語では表現できない場合がある、という話を書きました。

今日の話もその類です(笑)。

中国語で、可能を表す方法、実は結構豊かですよね。

まず助動詞(能願動詞)を使って表す方法があります。

我会说英语。
wŏ huì shuō yīng yŭ
私は英語を話すことができる。

他喝醉了,不能开车。
tā hē zuì le, bù néng kāi chē
彼は酔っているので、車の運転をすることはできない。

「会」は、技術や技能を修得していて「できる」という意味、「能」は本来的な能力や周りの環境等の条件が備わっていて「できる」という意味を表します。

日本語だとどちらも「できる/できない」としか表現できませんが、中国語では別の言い方になってしまうわけですね。

でも実は中国語の可能表現は、これだけにとどまりません。可能補語というのがありますよね。

可能補語というのは、動詞と結果補語の間、もしくは動詞と方向補語の間に「得/不」を入れると可能の意味が出る、というものです。たとえば:

看完kàn wán(見終わる)
→看得完kàn de wán(見終わることができる)

说清楚shuō qīng chu(はっきり言う)
→说不清楚shuō bu qīng chu(はっきり言えない)

进去jìn qù(入っていく)
→进得去jìn de qù(入っていくことができる)

こうなってくると、いろんな細かいニュアンスまで言えるのが面白いです。例えば:

买不到măi bu dào

こう言うと、お目当てのモノに「到達」できないということになるので、「(モノが店に無いので)買えない」という意味になります。

それに対して:

买不起măi bu qĭ

こう言うと、モノを買うだけの能力がないという意味になり、具体的には「お金が無くて買えない」という意味になります。

また「入って行けない」という言い方としては、「不能进去」と「进不去」が考えられますが、これも少しニュアンスが違うらしいです。

不能进去bù néng jìn qù

物理的には入っていけるのだけど、例えばそこに入る資格が無いとか、何か事情があって入りづらくて入れないとか、そういう場合に使います。

进不去jìn bu qù

物理的に入れない(鍵がかかっているとか、立て付けが悪くてドアが開かないとか)場合に使います。

こういうの、日本語では全て「〜できない」で済んでしまいますが、中国語では色々なニュアンスをこめてきめ細かに表現することができるようです。面白いけど、難しいですよねぇ。我々外国人が自在に使いこなせるようになるには、かなりの修練が必要かもしれません。

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