第170回 習得して「できる」

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「〜することができる」という意味を表す言葉、中国語には3つほどありますが、覚えていますか?

  • 可以……「〜してもよい」というようなニュアンス。
  • 能……本来的に能力が備わっていて「できる」、もしくは状況が許していて「できる」
  • 会……なんらかの技術を習得することにより「できる」

授業ではいつも上のように説明しています。ですから例えば、「彼は車を運転できる」という言い方は、通常ですと車の運転技術を習得しているという意味で使われるので、ふつうはこう言います。

他会开车。
tā huì kāi chē
彼は車を運転することができる。

しかし、例えば飲み会などで酔っ払った人を見て「彼は運転できますかね?」と尋ねるような場合は、こう言うでしょう。

他能开车吗?
tā néng kāi chē ma ?
彼は車を運転できますか?

この例の場合、酔っているという状況が「車の運転」を許さないわけですから、「会」ではなく「能」を使うのですね。

では、「外国語ができる/できない」ことについては、どの言葉を使うといいでしょうか。つまり例えば「わたしは英語を話すことができます」という言い方は、中国語ではどう言いますか?

我会说英语。
wŏ huì shuō yīng yŭ
わたしは英語を話すことができる。

そう。「会」を使いますね。習得してできるようになるわけですから、「能」ではありません。

しかし、古い映画で恐縮ですが「青春祭」という中国映画の中で、こんな台詞が出てきたことがありました。

他能说一口漂亮的普通话。
tā néng shuō yì kŏu piào liang de pŭ tōng huà
彼はきれいな標準語を話すことができる。

「他」というのは中国の少数民族の「タイ族(傣族dăizú)」の人です。タイ族の人からすると、標準語(中国語)はいわば外国語のようなもの。どうして「会」じゃなくて「能」なのかなぁ、と不思議に思ったものでした。

実は、「会」は、とりあえず一通りのレベルをクリアしているかどうかを言う場合に使えるわけですが、どの程度できるのかを具体的に言う場合は「能」を使うのだそうです。

「我会说英语。」と言う場合は、とにかく英語を話せるということを伝えているのみで、その人がどのくらい英語を話せるかは言及していません。この場合は「会」を使うのですね。

ところが、上の例のように「きれいな標準語を話せる」と、少し具体的にレベルについて言及する場合は「能」を使うのです。

そうなると、以下のような会話もありえそうです。

A:他会游泳。
tā huì yóu yŏng
彼は泳げます。
B:他能游多远?
tā néng yóu duō yuăn ?
彼はどのくらい(の距離)泳げるのですか?

「能」と「会」、使い分けが結構ややこしいですね。さらに可能補語まで絡んでくると、どの場合にどの可能表現を使えばいいか、結構難しいです。可能補語については、またの機会にお話したいと思います。

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