第168回 濁ったり濁らなかったり

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中国語を始めて習った時、「中国語には濁音は無い」と言われて、びっくりしました。

そして現在、僕自身も生徒さんに中国語をお教えする時、「中国語には濁音は基本的にありません」と言うことにしています。

でも、実は濁音のような音が聞こえることも多いですよね?

以前にも本欄で書いたことがあると思いますが、中国人の発音を録音して、濁音を感知するセンサーのようなもの(がもしあったら、ですが)に判定させると、きっと濁音が検出されると思います。

だから、より正確に言えば、「濁音が無い」のではなく、「中国語では、濁音か清音かは認識されない」のですね。

やはり前にも書いたことがありますが、有気音や無気音なんか無いと言われる日本語の中にも、実は有気音や無気音が自然と現れているのです。例えば(この例も以前出した例ですが…笑):

トマト

1つ目の「ト」と2つ目の「ト」は、同じように「ト」と表記するのだから同じ音だと我々日本人は思っていますよね?でもおそらく中国人が聞くと別の音が鳴っていると思っている人もいるはずです。

何を言っているかというと、1つ目の「ト」は少し鋭く息が出ているので、中国人からすると有気音に聞こえるはずです。2つ目はほとんど息が出ていないので無気音に聞こえるはずです。

以前にも書きましたが、「パンダ」の「パ」は中国人からすると、ピンインで書くところの「pa」なのか「ba」なのか悩ましいところなのだそうです。日本人からすると、息が出ようが出まいが「パ」は「パ」なんですけどね(笑)。

で、中国語の話に戻りますが、やはり中国人の中国語を聞いていても、「この発音、濁音じゃん」と思うことが多々あると思います。生徒さんにそういう質問をされるのが一番怖いです。というのは、確かに無気音の音節で濁音が鳴ることはあるのですが、いつもいつも無気音は濁音でいい、というわけではないのです。たとえばdaという音節で考えてみましょう。

  • 搭dā
  • 达dá
  • 打dă
  • 大dà
  • 「搭」は、僕の耳には、微妙ではありますがギリギリ「ダー」に聞こえる気がします。
  • 「达」は、僕の耳には、わりあいはっきりと「ダー」に聞こえます。
  • 「打」も、僕の耳には、かなりはっきりと「ダー」に聞こえます。
  • 「大」は、僕の耳には、かなりはっきりと「ター」に聞こえます。

人によっても違うかもしれませんが、少なくとも第2声の「达」と第3声の「打」は、かなり濁って聞こえるという人が多いのではないかと思います。

理由は分からないのですが、どうも第3声で発音される無気音の音節は、濁音で聞こえることが多いように感じています。例えば:

「当然dāngrán」の「当dāng」がかなり「タン」と清音で聞こえるのに対し「共产党gòngchăndăng」「党dăng」は「ダン」と濁音で聞こえる気がする。

「赵zhào」という苗字はかなり「チャオ」と清音で聞こえるが、「找zhăo(探す)」は「ヂャオ」と濁って聞こえる気がする。

1声や2声や4声がいつも清音に聞こえて3声だけは濁音に聞こえるというわけではありませんが、無気音の子音がついている第3声の音節に関しては、ほぼ例外なく濁音に近く聞こえるような気がします。

というわけで、まぁ第3声については、無気音であれば濁音にしちゃえばいいらしい、ということが分かったのですが、それ以外の条件はなかなか簡単には書けませんので、ご自分の耳を頼りに自分なりに分析して、よくネイティブの音を真似て練習してみてくださいね。

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