第151回 「了」の話

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皆さんは学生時代どんなクラブに入っていましたか?僕は吹奏楽部とか合唱団とか、なんか文科系でしたねぇ(笑)。

さて、「あなたは何クラブに入っていますか?」とか「わたしはテニス部に入っています」というような言葉を中国語で言うとどうなるでしょうか。

あなたは何クラブに入っていますか?
你参加了什么俱乐部?
nĭ cān jiā le shén me jù lè bù

わたしはテニス部に入っています。
我参加了网球俱乐部。
wŏ cān jiā le wăng qiú jù lè bù

日本語と中国語を比べてみてどうでしょう。何か気づくことはありませんか?

日本語は「入っています」というような「現在進行形」的な表現になっているのに対し、中国語には「了」という助詞が使われています。要するに「完了形」ですね。

ある生徒さんからこのことについて質問を受けたことがあります。どうしてこの完了形の中国語を日本語に訳すと進行形になるのか、と。

まず日本語から考えてみましょう。

「入っています」という表現ですが、これは本当に進行形でしょうか。「入る」という動作を続けているでしょうか?

違いますね。「入る」という動作は、実はほとんど瞬間的な動作なので、持続的に行うことができないのです。つまり「入っています」は動作の進行ではなく、「入った後の状態が持続していること」を表すのです。

「食べる」のように、持続可能な動作であれば、「食べている」という表現は「進行形」と言っていいわけですが、「入る」のように持続不能な動作を「~ている」と言えば、それは「進行形」ではなく「状態の継続」なのです。

ですから、日本語の「~ている」には気をつけなければなりません。母語に足をすくわれることは多いですが、これも要注意ですね~(笑)。

一方中国語ですが、「参加cān jiā」という動詞は、やはり「持続不能」ですよね。ですから、このような動詞に「了」をつけると、「参加する(入る)」という動作が「行われた」という「完了」の意味だけではなく、「行われたあとの状態がまだ今も持続している(つまり参加した状態が持続している)」というところまで表してしまうのです。

中国語の「吃chī(食べる)」の場合だと、「吃」はもちろん持続可能な動作ですから、「了」をつけて「吃了」と言えば「食べ終わった」となるわけですね。

「参加了」のほうは、文脈によって「参加した」場合もあれば「参加している」場合もあるわけですね。どちらも中国語的には「過去のある時点で『参加』という動作が完了している」という事実に違いは無いのですが、「参加」が完了したことを強調したいのか、「参加」の状態が今も続いていることを強調したいのかで日本語訳が変わってくるだけの話です。

では、次の日本語を中国語に訳してみましょう。

「わたしの父は二年前に死んでいます。」

「死ぬ」という動詞だとよく分かりますね。日本語ではもちろん「死にました」と言ってもいいわけですが「死んでいます」と言ってもちっともおかしくありません。でも中国語はここで進行形を使うととても変ですね。

×我父亲两年前正在死。

ここはやはり「了」を使って完了形にしたいところです。

○我父亲两年前死了。
wŏ fù qin liăng nián qián sĭ le

今日は中国語よりも日本語のお勉強になってしまいましたね(笑)。

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