第135回 パンダ?それともパンダ?

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先日ある知り合いの中国人が本を一冊貸してくれました。

日本語教師の人が、生徒さん(日本に留学している外国人学生さんたち)とのやり取りの中で再発見した日本語や日本文化、外国人の間違った日本語や日本人の間違った日本語などを面白おかしく漫画にのせて語っているのです。

内容も面白く、僕にとって興味のある問題ばかりだったし、漫画形式だったこともあり、あっという間に読めてしまいました。

さて、この中で、こんな話題がチラッと出ていました。

「よく聞かれる発音の質問があります(ただしこれは中国人限定)。」

「先生!日本語の『パンダ』は、パンダですか?パンダですか?」

(中国語には「ぱ」の発音が2種ある。どっちが日本語の「ぱ」に近いかという質問なのだが日本人には同じに聞こえる…)

中国語をやっている皆さんならきっと何のことか分かるでしょう。中国語のpaの音とbaの音は、日本人が聞くとどちらも「パ」にしか聞こえません。しかし中国人からすると全く違う音です。だから、どちらの発音で言えばいいのか気になるところなのでしょう。きっと「パンダ」だけでなく「トマト」の「ト」の音も困るんじゃないでしょうか。

実は、以前から結構不思議に思っていたのです。僕は中国語を初めて習った時、日本語と中国語の発音体系は全く違う、というような話を聞きました。ですから僕も中国語をお教えする際、同じような話を必ずします。日本語には清音と濁音の違いがあるけど中国語は基本的に全て清音である、同じ清音だけど息が鋭く強く出る子音と息があまり出ない子音がある、という話をします。

でも中国人で日本語を勉強している人は、こういう厳然たる違いをどのように教えられているのかな?いや、もしかして、そういうことあまり詳しく教えてもらっていないんじゃないかな?と思えてなりません。

ちゃんと習っていないからこういう「パンダのパの発音は?」というような質問が出るんじゃないかなぁと。

結論から言うと、パンダのパは、どちらでも別にいいでしょうね。まぁ、「パンダ」という語彙の場合は恐らくpaの方が近いでしょう。でももし「カッパ」の「パ」なら、baのほうが近いように思います。

日本語の清音は、語頭で使われればちょっと鋭く息が出ます。つまり、中国語の「有気音」的な発音になっているのです。

逆に、語中や語末で出てきた清音は、あまり息が出ません。つまり、中国語の「無気音」的な発音になっていると言えそうです(例外あり)。

つまり、日本語を母語とする皆さんは、実はもう小さい時から中国語の有気音も無気音も使っているのです。無意識に、ですけどね。

たとえば「携帯電話」の「携帯」という日本語は「ケイタイ」と読みますね。「ケイタイ」の「ケ」は有気音でしょうか、無気音でしょうか。「タ」はどうでしょうか。

「ケ」は語頭ですから有気音ですね。確かに結構鋭く息が出ているように思います。

「タ」はどうでしょう。特に意識してメリハリをつけて発音したりしない限りは、無気音のように思います。

上にも出しましたが「トマト」なんかの場合、最初の「ト」と最後の「ト」では音が違うということになります。ですから、全く日本語の分からない中国人に向かって「トマト」と言ってみると、もしかしたらその中国人は最初の「ト」と後の「ト」を違う音として認識するかもしれませんね。実際に尋ねてみたことはないですが(笑)。

中国の人は、むしろ濁音に気をつけたほうがいいと思います。「パンダ」の「パ」がどっちの音だなんて騒いでいないで、「パンダ」の「ダ」の発音を磨かないといけません。

でないと、日本語らしくなりませんよね(笑)。

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