第132回 不か没有か

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

中国語を勉強し始めて最初に習う否定文は、多分「不bù」を使う否定文でしょうね。たとえば:

他不看书。

tā bú kàn shū

彼は本を読みません。

しかし、「不」のほかにも否定を表す言葉があります。それは「没(有)méi (yŏu)」です。たとえば:

他没有去过美国。(「有」は無くてもよい)

tā méi yŏu qù guo měi guó

彼はアメリカに行ったことがありません。

この「不」と「没(有)」の使い分け、いざとなると結構難しかったりしますよね。ちょっと整理してみましょう。

  • 「是」の文の否定
  • 現在の習慣や普遍的な事実
  • これから起こることの否定
  • 形容詞の文の否定

上の例の「他不看书。」は、今読んでないとかいう意味ではなく、「彼」という人の性質として「彼は本を読まない人だ」というようなことを言っているわけです。

没(有)

  • 「有」の文の否定
  • 過去のできごとの否定
  • 過去の経験の否定
  • 完了していないということを述べたいとき
  • その動作が進行中ではないことを述べたいとき

たとえば、「了」を使っている文。

他吃包子了。

tā chī bāo zi le

彼は中華まんじゅうを食べた。

この文を否定したいときは、こうなります。

他没(有)吃包子。(「有」は無くてもよい)

彼は中華まんじゅうを食べなかった(食べていない)。

この場合、「了」をつけてはいけませんので、注意してください。

また、進行形の文はどうなるでしょうか。

他正在吃包子呢。

tā zhèng zài chī bāo zi ne

彼は中華まんじゅうを食べているところです。

この文を否定したいときは、こうなります。

他没(有)吃包子。

彼は中華まんじゅうを食べていません。

おわかりのように、「了」の文の否定文も進行形の文の否定文も、同じような形になってしまいます。つまり、「了」の文の否定文なのか、進行形の文の否定文なのかは、文脈から読み取らねばなりません。

我々からすると、「了」の文と進行形の文なんて、全く違う意味を表すのに、同じ形になってしまうなんて、随分乱暴な言語だなぁと思うかもしれませんね。でも、次のように考えてください。

「没(有)」を使う否定文は、その動詞のあらわす動作、もしくは動作の結果が、いま存在していないことをいうのです。

「他吃包子了。」と言った場合、「中華まんじゅうを食べる」という行為はすでに行われていて、その動作の結果がなんらかの形で現在に残っています(たとえば、食べてしまった中華まんじゅうはこの世に存在しなくなっていますし、食べた「彼」のおなかは膨らんでいるかもしれません。)。

それを否定するということは、そういった「動作の結果」が「無い!」と言っているわけです(だから「没有」を使うのかも…笑)。

「他正在吃包子呢。」と言った場合、「中華まんじゅうを食べる」という動作が現在正に行われているわけですよね?

それを否定するということは、その「動作」がいまここに「無い!」と言っているわけです。

逆に、「他不看书。」は、いまに限らず、昨日も今日も明日もあさっても「本を読まない」わけで、現在目の前に「本を読む」という動作自体や動作の結果が存在する・しないと言っているわけではありません。だから「不」を使って否定するのです。

ちょっとは整理がつきましたか?

中国語翻訳のお問い合わせはインターブックスにどうぞ

それぞれの国の事情を理解したネイティブ翻訳者が翻訳を担当いたします。
台湾語をはじめ北京語、広東語、上海語などの方言や簡体字、繁体字などにも対応しています。
電話番号 03-5212-4652
お問合せはこちら

関連する記事