第131回 軽声ってヤツは

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ちょっと前にも軽声について書きましたが、またまた軽声のお話をしたいと思います。

つくづく軽声って、どういうものなんだろうと思います。正体がつかめないですね。

どの辞書を見ても軽声の発音で書かれているのに、中国人の口から出てくる言葉は軽声とは思えなかったり、という言葉があります。前にもご紹介したことがありますね。

「学生 xué sheng」、実際の発音は xué shēng が多いと思います。

今日も中国語の録音の現場に立ち会ったのですが、ナレーターが「xué shēng」と読んだので「xué sheng」と読み直してもらいました。

でも、読み直してもらうのもなんだか申し訳ないんですよね。だって、実際には「xué shēng」と読む人の方が断然多いんですから。

また「打算dă suan」、実際の発音はほとんどdă suànだと思います。

この言葉も今日の録音で出てきたのですが、事前にナレーターから質問されました。

「この『打算』という言葉は、実際の会話ではdă suanと軽く読むこともありますが、朗読ではdă suànと読むと思うんですよね。どうしましょう。」と。

ほ~。そういうこともあるのですね。確かに会話では発音は時としてイイカゲンになりますが、朗読ではキッチリ読みます。だから、朗読では軽声ではなく元の声調をちゃんと発音するような単語もあるようなのです。もうこうなってくると、我々外国人にはお手上げですね(笑)。

「十」という字は、「shí」と読みますが、たとえば「三十五sān shi wŭ」というように、「十」が数字に挟まれた場合は軽声で読まれることが多いと思います。

でもこれも人によって、もしくは地域によって差があるようです。特に南の方の出身の中国人は「十」を、極めて短く読むのですが決して軽声にはなっていない(しっかり2声の上がり調子が聞こえる)のです。でも北京の人などは、そうでもなく、しっかり軽声になっているように聞こえます。

また「二十èr shí」などの場合の「十」は北京人でもしっかり第2声で(つまり上がり調子で)発音してくれますが、「二十岁èr shí suì」となると「十」は軽声になっているようです。

余談ですが、北京や東北地方(黒龍江省、吉林省、遼寧省)などでは、二字熟語の2文字目の音が軽声になることが比較的多いそうですね。例えば「太阳」は「tài yáng」というのが正しいようですが、北京の人などは「tài yang」というのが普通のようです。

どうです?軽声かどうかをキッチリ覚えるのがイヤになってきませんか?(笑)

正直言うと、僕はそんなに軽声に関して神経質になっていません。周りの中国人の実際の発音を聞いて真似するだけです。こと軽声に関しては、辞書は信用できない、というのが僕の結論ですね。

それにしても、こんな、一見「イイカゲン」なことがまかり通っていていいのだろうかと思うかもしれませんが、日本語も結構イイカゲンなことってあるようなのです。

たとえば「やはり」と「やっぱり」。

意味はほとんど同じですが、外国人から見ると悩ましい単語らしいです。また日本人はこの単語を結構多用しますから、外国人にとって非常に気になる存在だ、と聞いたことがあります。

ある日本語学習者が、日本人の言語学者にこんなことを尋ねたそうです。

「先生、『やはり』と『やっぱり』では、どちらのほうが多く使われるんですか?」

すると先生はしばらく沈思黙考し、顔を上げてこう答えたそうです。

「う~ん。僕自身がどっちを使うか考えていたんだけどね、やっぱり僕は「やはり」を使うねぇ。」

うまくできた笑い話みたいですね(笑)。

どんな言語にも、外国人の目から見ると非合理なことってあるようです。日本語にも色々あるようですから、お互い様ですね。我慢して軽声と付き合っていくしかないようです。

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