第130回 ちょっと

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「ちょっと」とか「少し」という言い方、中国語にはいくつかありますね。混乱している人もいるのではないかと思って、今日は「ちょっと」整理してみましょうか。

「等děng(待つ)」という動詞を例にとって見てみましょう。

1 等一下 děng yí xià
2 等(一)等 děng (yi) děng
3 等(一)会儿 děng (yí) huìr / děng (yì) huĭr

いずれも「ちょっと待つ」というような意味で使われますよね。

1の「一下」ですが、もともとここの「下」は回数を数える単位でした。だから直訳すると「一回待つ」というような意味です。

2は動詞の重ね型です。中国語は動詞を2回重ねると、「ちょっと~してみる」というような意味になります。これも、二回目の動詞(2の例文の場合「等」)は「待つという動作一回分」という意味で、「等」+「一等」は「待つという動作一回分をやる」という意味になります。そう言う意味では「等一下」と意味が似ていますね。

3の「一会儿」は「しばらく」という意味ですから、回数ではなく時間的に「ちょっと待つ」ということになろうかと思います。

では、同じことを今度は「吃chī(食べる)」という動詞で考えてみましょう。

4 吃一下chī yí xià
5 吃(一)吃 chī (yi) chī
6 吃(一)会儿chī (yí) huìr / chī (yì) huĭr

同じことですね。4は「一回食べる」というところから「少し食べる」、5は「食べるという動作一回分をやる」というところから「少し食べる」、6は「しばらくの間食べる」という意味。

ただ、「吃」の場合はこんなふうにも言えます。

7 吃(一)点儿 chī (yì) diănr

「一点儿」も「ちょっと」という意味です。ただ「一下」とはちょっと違います。上でも書いたように「一下」は、元々は動作の回数を言う言い方でした。でも「一点儿」は回数ではなく量です。「量がちょっとである」という意味です。

ですから「吃一点儿」は「量をちょっとだけ食べる」というニュアンスになるわけです。

日本語で「ちょっと食べる」と言ってしまうと、「ちょっと」というのが回数なのか数量なのかよく分からないし、正直どっちでもいいわけですが(笑)、中国語で言う時は、どちらか選ばねばなりません。なんか面倒ですね~。

でも中国語で「吃一下」と言われた時と「吃一点儿」と言われた時とでは、やはり聞いた感じのニュアンスが違います。元の意味がちゃんと生きてるな~と思います。

というわけで、元の意味がしっかり生きてるわけですから、こんな言い方はダメです。

×等一点儿。

「等」は「待つ」という意味ですから、「ちょっと待つ」はどう考えても「量をちょっとだけ待つ」という意味にはなりえません。だからこれは言えないのです。

このように、同じように「ちょっと」とか「少し」と訳す言い方でも、「一下」と「一点儿」ではしっかりと意味の違いがあります。この件に関しては、日本語のほうが大雑把でしたね(笑)。

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