第129回 助動詞のこと

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皆さんは、中学や高校の時、英語はお得意でしたか?

伊藤は、英語は得意科目でした。特に文法が好きでしてね。こう言うと、たいていはビックリされます。文法ってふつうみんな嫌いなんですってね(笑)。

僕は不思議と「文法」なるものは好きです。現代日本語の文法も好きなので、動詞の活用形とかもちゃんと言えますし、形容動詞の活用語尾もいえますよ。「だろ だっ で に だ な なら」(笑)。英文法も好きでしたし、そのほか色々な言語をかじりましたが文法を習っている時は非常にワクワクしたものです。

だから中国語の文法も好きなのですが、、、どうも中国語文法って一筋縄ではいきませんね~。不思議なことが色々あります。

たとえば助動詞。

伝統的な中国語文法の用語で言えば「能愿动词(能願動詞)」というヤツです。

「可以」「能」「会」「要」とかですね。英語の助動詞(can, may, will等々)と機能や意味が似ているので、最近は「能願動詞」ではなく「助動詞」と書いてあるテキストのほうが多いかもしれません。

この「助動詞」の内、「~したい」という意味を表すものが2つあります。分かりますか?

そう、「要yào」と「想xiăng」ですよね。

「要」の方が意志を持った「~したい」という意味を表し、「想」はそれほどまでの切迫感はない、というように説明されたりします。でも実際にはそんなに厳密な違いは無く、同じように使っていい場合も多いのですが、否定形は少し注意が必要です。

我要喝茶。 → ×我不要喝茶。 ○我不想喝茶。

wŏ yào hē chá2

わたしはお茶を飲みたい。

Cf.我想喝茶。 → 我不想喝茶。

wŏ xiăng hē chá

わたしはお茶を飲みたい。

つまり、「要(~したい)」の否定形は「不要bú yào」ではなく「不想bù xiăng」としなければならないのです。

というのは「不要bú yào」と言うと「要らない」とか「~すべきではない」といった別の意味に聞こえてしまうからです。

さらに、「とても行きたいです!」を中国語で言うとどうなるでしょうか。

我很想去!

wŏ hěn xiăng qù

不思議なことに「我很要去!」とはいえないようです。

「要」と「想」って、同じようでいて、機能面でけっこう違うということですね。程度の副詞「很hěnとても」を前に置けるということは、「想」のほうは程度を描写できるわけです。どのくらい「したい」と思っているかを表現できるのです。でも「要」の方はできない。不思議です。

どちらも同じように助動詞とされていますが、結構違いますよね。

あと、「打算dă suan ~するつもりだ」という助動詞もちょっと不思議。 例えば「僕は明日東京に行けます。」を中国語にすると:

我明天能去东京。

wŏ míng tiān néng qù dōng jīng

となるのですが、「僕は明日東京へ行くつもりです。」だと

・我明天打算去东京。

wŏ míng tiān dă suan qù dōng jīng

と言うのですが、こんなふうにも言えます。

・我打算明天去东京。

wŏ dă suan míng tiān qù dōng jīng

どこが違うか分かりますか?前者の方は「明天」という言葉が助動詞「打算」の前に置かれていますが、後者の方は助動詞の後に入っています。

意味やニュアンスの違いはどうでしょう。前者は、いつ行くかということはあまり気にしていない様子に聞こえますが、後者の場合は、明後日でも一週間後でもなく「明日」行くということを強調しているように聞こえますね。

こういうことから、助動詞の中でも、「能」のように次の動詞との結びつきが強いものもあれば、「打算」のように次の動詞との結びつきが希薄なものもある(だから「打算」と動詞の間に「明天」のような他の成分が入り込みうる)のだな、ということがわかります。

う~ん。英語の助動詞は、全て同じように使えるのに、中国語では「助動詞」と言われていても使い方が微妙に違ったりして、なんだかとっても不思議ですね(笑)。

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