第124回 ア?バ?ダ?レイ?

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日本語で「いいよ」というのと「いいぞ」というのと「いいわ」というのと、どう違うかと言われると、ちょっと困りますね。

「いいぞ」は男性、「いいわ」は女性という感じはありますが、「いいよ」との意味の違いは説明しにくいです。

「いいの」とか「いいか」とか、明らかなニュアンスがある場合はいいのですが、「よ」とか「ぞ」とか「わ」とか「ぜ」とか、明確なニュアンスがない文末の助詞(日本語では終助詞と言いますね)は説明が難しいです。

中国語は男言葉と女言葉の違いによる文末の助詞(中国語では语气助词と言います)は特に無いようなのでまだいいですが、それでも説明の難しい語気助詞はありますね。

最近、ある生徒さんからよく尋ねられるのは、以下の言葉のニュアンスの違いです。

「好啊」hăo a

「好吧」hăo ba

「好的」hăo de

どれも「いいですよ」とかしか訳せないのですが、確かにニュアンスが違うようです。しかし、どうも説明しにくいです。

例えば、お店で客が「コレをください」と言った時、店員が「好的」と言ったりしますよね?そういうことから分かるように、「好的」にはちょっと丁寧な印象があるような気がします。

それに比べて「好啊」は、店員が言うことはあまりないような気がするので、同等の相手、もしくは親しい人に対して使うような印象があります。そして、かなり積極的に相手の依頼を引き受けるような感じでしょうか。

「好啊」で思い出すのは、NHKの『大地の子』というドラマで(もうすっかり古いドラマになってしまいましたね)、中国残留日本人孤児の主人公の陸一心(陆一心Lù Yìxīn)が実の妹の張玉花(张玉花Zhāng Yùhuā)に「日本語を教えて」と頼まれた時「好啊」と言っていた場面です。一心は心から嬉しそうに「好啊」と言います。ですから「好啊」は、場合によっては「いいとも!」とか「喜んで!」と訳すといいかもしれません。

「好吧」は逆に、消極的なニュアンスがあるように思います。

例えば、「明日一緒に行こうよ!」と誘われた時に「好啊!」と言えば、自分もすごく行きたくて、積極的に同意しているような感じに聞こえますが、ここで「好吧。」と言えば、そこまで積極的に同意しているわけではなく、「じゃ、まぁ、そういうことにしよう」的な同意のように思います。

そもそも「吧」という語気助詞は、提案とか軽い命令を表すことが多いですね。例えば:

「去吧!」

qù ba  

(行きなよ!)

「我们一起去吧!」

wŏ men yì qĭ qù ba  

(一緒に行きましょう!)

そういうことから考えると、この「好吧」も、「いい」ということにしときなよ!と自分に言い聞かせている(自分に対する軽い命令)わけです。

「吧」という語気助詞、なかなか奥が深いですねぇ。

あと、文章に出てきたのを見たことはないのですが、北京でよく耳にしたのは「好嘞hăo lèi」という言い方です。

「lèi」と書きましたが、第4声ではなく軽声かもしれません。僕の耳には第4声に聞こえました。

音だけで漢字を探ると「累lèi(疲れている)」という形容詞があるので「好累!」だとすると「すごく疲れた」という意味になりますが、文脈的にはそうではなかったのです。どういう文脈だったかというと、学校で先生が何かの解説をして、生徒がみんな理解したと先生が判断した時などに、先生が「好嘞!」と言っていました。

「好!」と一言だけいうよりずっと歯切れがよくて気持ちよく、「好嘞!」と言われるとなんとなくこちらもスキっとして次の話題に頭を切り替えられたような気がします。

語気助詞は、大事なものとして解説されることはあまりありませんが、こうやって考えると結構奥が深く難しいですね。語気助詞を適切に使えるようになると、会話がとても自然な感じになるので、時々よく観察してみるのもいいかもしれません。

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