第112回 句読点

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皆さんもご存知のとおり、伊藤は何冊か書籍を出しています。ですから出版社の人とも色々お付き合いが増えてきました。

出版社の人ってすごいです。僕が何度見ても気がつかなかった小さな間違いを確実に見つけてくれます。しかも仕事が速い。プロなのだから当たり前と言われればそうなのかもしれませんが、やはりすごい集中力だな〜と思います。

でも時々字数を少なくするために文章を違った表現に書き直される場合があります。「このように書き換えましたが構いませんでしょうか?」と尋ねてくれたらいいのですが、時間がないのかなんなのか、何も言わずに勝手に書き換えてそのまま僕に何も言わないような人もいます。

これは困るのですね。書き直した日本語は簡潔で読みやすくなっているのですが、必要な内容が抜けてしまっていたり、ニュアンスがすっかり変わっていたり、ひどい時は僕の意図と全く逆の意味になってしまっていることすらあるのです。

書き換えた部分がはっきり分かるようにしておいてくれている場合は安心ですが、そうでない場合は確認する時もかなり神経を使います。

さて、日本語の書き換えもさることながら、中国語部分の書き換えも時々あります。

さすがに中国語部分は勝手に書き換えられることはないですが(笑)、次の点は時々勝手に修正されていてビックリすることがあります。

それは、句読点。

中国語には中国語のパンクチュエーションがあります。あまり習わないと思うので、ちょっとここで基本的なものを説明しておきましょう。

句号 jù hào 「。」…日本語の句点「。」と同じ働き

逗号 dòu hào 「,」…日本語の読点「、」と同じ働き

顿号 dùn hào 「、」…日本語の中黒「・」と似た働き

句号は日本語と同じように使うので問題はありませんね。ピンインで書く場合は英語と同じようにピリオド「.」を書きます。例えば:

・我是中国人。

Wŏ shì Zhōngguórén.

私は中国人です。

逗号は、いわゆるコンマ「,」ですね。意味の区切れの部分で打つので、日本語の「、」に相当します。例えば:

・他叫张腾飞,是我的父亲。

Tā jiào Zhāng Téngfēi, shì wŏ de fùqin.

彼は張騰飛と言いまして、私の父親です。

顿号と同じ働きをする記号は日本語にはありません。中黒「・」が似ていますが、日本語の中黒よりもよく使うように思います。例えば:

・我去过北京、上海、西安和成都。

Wŏ qùguo Běijīng、Shànghăi、Xī’ān hé Chéngdū.

私は北京と上海と西安と成都に行ったことがあります。

お分かりでしょうか。そう、顿号は語句を列挙する時に使う記号なのです。

ところが、中国語関連書籍をあまり出したことのない出版社が見ると、「,」と「、」が入り乱れているように見えて、どちらかに統一しようという考えが働いてしまうらしいのです。で、「こちらでコンマ(,)に統一しておきました」って言われる時があるのです。

いやいやいや。(笑)

全て「,」にされるとすごく読みにくいですよ。中国語の文章を読みなれてくると、「,」があるとそこで文がちょっと切れることが分かり「、」があるとそこでは文は終わらないというのが分かります。例えば上の顿号の例をこんなふうに書くと:

「我去过北京,上海,西安和成都。」

こう書くと、「我去过北京」で頭も一息ついてしまって、次に「上海」を見て「おお、まだ文が続くのか」とビックリするようなことになります。この逗号「,」と顿号「、」の使い分けはとても便利ですね。日本語も取り入れたらいいのに、とか思ってしまうほどです。

しかしそれを分かってくれていない出版社がとても多い。中国語を習ったことがない人ならば知らなくて当然(習ったことがあっても知らない人も多い)ですが、せめて勝手に修正するのはやめていただきたいものです。

一言相談して欲しいですね〜。

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