第98回 最初が肝心

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皆さんは中国語の勉強で何が一番大変ですか?

最初に大変だなと思うであろうことは、発音でしょうが、いつまでたっても何となく自信が持てないのは、聞き取りではありませんか?

僕も今では偉そうな顔して通訳なんぞやっておりますが、ノンネイティブの弱みというか、中国語の聞き取りには結構神経を使います。某通訳養成機関で勉強している時は本当にダメダメで、どうしたら克服できるのだろうかと、一時色々と研究しました。

聞き取りがダメなのは、第一に語彙力が足りないこと、とよく言われます。もう本当にそのとおりで、音を正しく聞き取れていても言葉の意味が分からなければどうしようもありません。

では、語彙が分かっていても聞き取れないのは、なぜなのでしょう。僕は色々考えました。そして、日本語と中国語の語順の違いにその鍵があるのではないかと考えました。

例えば、「私は携帯電話を買いたい。」という文を音声だけで聴く時、皆さんはどうやって聴いていますか?集中力は常に一定ですか?

多分集中力は変動していると思います。僕の場合、「携帯電話」というところで一度集中力がピークに達し、「買いたい」でもう一度ピークに達しているかなぁと思います。で、結論部分は最後に来るのが日本語ですから、集中力は最後のところが一番高まっていると思います。どうですか?

だってね、「私は携帯電話を」までのところだけ聴いても「買いたい」というか「買いたくない」というか、もしかしたら「売りたい」とか「壊した」とか言うかもしれない。最後まで聴かないと分からないのが日本語です。

だから、僕たち日本語を話す人たちは、人の話を聴く時、最初はちょっと気を抜いていて、最後に向かって集中力を高めていくような癖がついているのではないかと思ったのです。

実際、僕は、中国語を聴く時、1つのフレーズの最初の方を聞き逃すことが多かったのですね。

中国語で最初の方を聞き逃すとどうなるか、分かりますか?先ほどの文を中国語で言ってみると、こうですね。

・我想买手机。
wŏ xiăng măi shŏu jī

この文の前半をぼ〜っと聴いていて、後半だけ聞き取れると、「私は・・・携帯電話を・・・どうした?」ってことになるわけですね。結局結論部分が欠落してしまうのです。

次の例なんかもっと悲惨です。

・我没去过澳大利亚。
wŏ méi qù guo ào dà lì yà
私はオーストラリアに行ったことがない。

この場合、最初の方にある「没」というのを聞き逃すと、否定しているかどうかすら分からない、ということになるのですね。

中国語は「不」とか「没」という否定の言葉が文の最初の方に置かれます。だから、もう文の冒頭から気合入れておかないと、結局意味が分からないままになるのです。

嫌なのは、場合によっては否定の言葉と動詞が離れてしまうことがある、ということです。例えば:

・我不跟他一起去。
wŏ bù gēn tā yì qĭ qù
私は彼と一緒に行かない。

この文では「不」と「去」が離れてしまっています。間に色々入っちゃっていますね。こういう文を日本語の頭で聞くと、最後の方ばっかり聴いてしまって否定語がついていることに気がつかない(もしくは忘れてしまう)のです。

だから、中国語を聴く時は、最初の方に結論を言ってしまう、ということを肝に銘じて、最初に照準を合わせて聴く癖をつけていけば、聞き取り能力向上の一助になるのではないかと思います。

と、分かってはいても、なかなか聞き取りは難しいですよね。お互い地道に頑張りましょう。

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