第97回 明々白々

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中国語って言葉を重ねるのが好きですよね。

パンダの名前なんか、いい例です。カンカン(康康kāng kang)とランラン(兰兰lán lan)なんて、もう皆さんはご存知ないですかね(笑)。日本に初めて来たパンダの夫婦です。台湾や日本や中国で活躍する俳優の阿部力さんの中国名は、李冬冬Lĭ Dōng dōngというそうです。これも「冬」という字が重なっています。

名前なんかだと、重なっているとかわいい感じがしますね。日本でも「目」というより「おめめ」と言った方がかわいいので、なんとなくその感覚は分かると思います。

動詞の重ね型は皆さんもきっとご存知だろうと思います。「看kàn(見る)」を重ねて「看看kàn kan」と言うと、「ちょっと見てみる」というようなニュアンスが出ます。

では、形容詞の場合はどうか。今日は形容詞の重ね型のことを見ていこうと思います。

物事の性質を表す形容詞は、重ねると、描写的な感じになります。例えば:


hóng
赤い

红红
hóng hóng
真っ赤

日本語の「赤い」と「真っ赤」というのを比べると、描写的というのがどういうことなのか分かりやすいと思います。ただ単に性質を言うのではなく、どんな風に赤いのかを言っているのが「红红」です。

面白いのは、2文字の形容詞の重ね型です。

たとえば「清楚qīng chu(ハッキリしている)」。(これは日本語の「清楚(せいそ)」とはかなり意味が違いますのでご注意くださいね。)

この形容詞を重ねると、どうなるか。「清楚清楚」ではありません。

清清楚楚
qīng qing chŭ chu

そうなんです。2音節の形容詞が重ね型になると、ABABという重ね方ではなく、AABBという重ね方になるのです。他にもこんな例があります。

平安píng ān(平穏である)⇒平平安安
曲折qū zhé(曲がりくねっている)⇒曲曲折折

初めてこの現象を目の当たりにした時は、非常に驚き、奇異に感じたものです。でも、よ〜く考えてみると、日本語にもあるのですよね。例えば:

明々白々

奇々怪々

子々孫々

……….等々

なるほど、「明白だ」と言われるより「明々白々だ」と言われたほうが、情景が何となく頭に浮かびますね。つまり、描写的な表現なのです。日本語でも重ねると同じような効果があるようですね。

ところで、ちょっと嫌なのは、AABBではなくABABと重ねる形容詞もあるということです。例えば:

雪白xuě bái(雪のように真っ白だ)⇒雪白雪白(雪雪白白とは言わない)
笔直bĭ zhí(筆のように?真っ直ぐだ)⇒笔直笔直(笔笔直直とは言わない)

どういう形容詞がABAB型になるのかというと、「AのようにBである」というようなものです。(例:「雪白」は「雪のように白い」という意味。)

こういう形容詞はAとBがくっついて初めて1つの形容詞としての意味をもつわけですから、AとBを引き離してAABBとするのが難しいわけです。

それに比べて「清楚」という形容詞は「清」も「楚」も「ハッキリしている」というようなニュアンスの意味があります。「平安」は「平」も「安」も「安らかである、安定している」というような意味がそれぞれの字に存在しています。そういう場合はAとBを引き離してAABBとすることができるのでしょう。というより、Aの方はAで重ねてBの方はBで重ねてAABBとする方が、意味が引き立つのでしょうね。

中国語は語順が命と言いますが、もっと細かい、字の並べ方のようなレベルでも、結構きっちりしていて面白いですねぇ。

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