第7回 実際は違うことも

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しつこいようですが、神舟6号の有人宇宙飛行の成功(笑)。有人は「载人zài rén」と言うのだ、ということは、以前書きました。

実はこの「載」という字、音が2つあります。zàiとzăiです。

  • zàiは「搭載する」に代表されるような意味で、「人・もの」を載せるとき。
  • zăiは「記載する」に代表されるような意味で、「文章など」が記されるとき。

ということなので、当然「有人宇宙飛行」という場合なら「zài」と発音するのが正しいわけです。

しかし、実際には第3声で言う人が非常に多いのです!先日もニュースで胡錦濤国家主席が「神六」のことを演説で言っていましたが、「zăi rén」と読んでいました。

これが間違いなのか、方言の影響なのか、それは僕にはわかりませんが、僕たちは「zăi rén」と読む人もいるのだ、ということを認識しておく必要がありますね。さもなくば、実際に「zăi rén」と聞いたときに、頭の中で「载人」と文字変換できませんから。

このように、辞書には載っていない読み方をする単語(字)は結構あります。我々はいつもアナウンサーと会話するわけではないので、こういったものをある程度知っておくと楽になることがあります。いくつか気がつくものを挙げておきます。

角色(劇などの役柄、登場人物)

「角」という字は「jiăo」と読むことが多いので、この単語も「jiăo sè」と読む人が結構いますが、辞書には「jué sè」と書いてあります。CCTVのアナウンサーも「jué sè」と読んでいます。我々外国人は、一応正しいとされる発音「jué sè」と覚えておくべきだと思いますが、「jiăo sè」といわれても対応できるように心の準備くらいはしておいた方がいいでしょう。

比较(比較、比較的、割と)

辞書では「bĭ jiào」となっていますが、「bĭ jiăo」と言う人も結構います。特に北京ではほとんどの人がそうなっていたと思うので、北京の方言かもしれません。僕は北京に留学していたので、「bĭ jiăo」と読む癖がついてしまって、今でもよく「bĭ jiăo」と言ってしまいます(笑)。

一会儿(しばらく)

「会」は「huì」、つまり第4声なので、その前の「一」は「yí」、つまり第2声で発音されますよね?ですから、正しくは「yí huìr」という発音になりますが、なぜか「yì huĭr」と発音する人が結構います。これも北京方言かもしれません。

僕が最初に中国語を習った先生は、僕たちに「yì huĭr」と発音するように指導なさいました。多くの人がそう言うから、という理由だったように記憶しています。ところが会話の授業を教えてくれた中国人の先生は絶対に「yì huĭr」という発音を許さなかったのです。仕方なく、僕たちは、先生によって「yì huĭr」と言ったり「yí huìr」と言ったり、発音を変えなくてはなりませんでした。初心者なのに、随分なプレッシャーでした(苦笑)。

「室」という字

「教室」とか「会议室」など、「室」という字はよく使われますよね。この字は辞書では「shì」と書いてありますが、実際には「shí」あるいは「shĭ」と発音されているように聞こえます。これは留学に行っていたとき、本当に困りました。友達が肺炎で入院してしまったとき、知り合いの护士(hù shi 看護師さん)が「その病院なら知り合いのドクターがいます。2階に行くと●●室があるので、そこで▲▲さんを訪ねてください」というふうに、親切に教えてくれたのですが、その「●●室」の「室」が「shí」と発音されていたので、にわかには何のことだか分からず、何度も何度も聞きなおしました。電話で話していたので字を書いてもらうことも出来ません。もしかして「室」かな?と思い、「●●室(shì)吗?」と訊くと「对对!」と言われて、心からホッとした覚えがあります。多分ご本人は、自分で第2声と発音しているか第4声と発音しているか、意識していないのだろうと思いますが、僕たちにとっては大違いで、戸惑いますよね。(というか、「大違い」と思えるくらい声調に敏感になってくださいね…笑)

「血」という字

「血」という字には2つ音があります。「xuè」と「xiě」です。前者は大多数の熟語の中での音、後者は若干の日常的な単語に用いる場合の音だそうです。要するに、「xuè」は書き言葉的、「xiě」は話し言葉的といえますでしょうか。

しかし、実際には、僕の耳が確かならば、いずれの場合も「xuě」と発音されている場合が非常に多いように思います。

僕は北京師範大学に留学していたのですが、北京大学の授業にもこっそり紛れ込んでいたことがあります(笑)。ある日、バスに乗って遥々(?)北京大学まで行って、さぁ授業が始まった!と思ったら、教授が「今日は献血イベントがあるので、授業は休講にします!
」と言って出て行きました。

このとき、その教授は「献血」を「xiàn xuě」と発音したのです。「献血」は辞書では「xiàn xuè」と書いてあるのですが、「血」が第3声(または第2声?)で発音されていたので、本当に「献血」なのか、いまひとつ自分の聞き取りに自信が持てません。本当のところなぜ休講になったんだろうと思っていたら、確かにその日キャンパスのアチコチに「献血」という字の書かれた看板等が置いてあり、やっぱり「献血」でよかったんだ、と思った次第です。ちなみにこのように発音したのはその教授だけでなく、周りの学生たちもそう言っていました。

もっともっとたくさんありますが、またの機会にご紹介することにしますね。とにかく、日本国内で勉強していると、模範的な純粋培養の中国語しか聞かないと思うのですが、比較的キレイな普通话(pŭ tōng huà 標準語)を話す人でも時々辞書には載っていない発音をすることがあります。僕たちは、外国人ですから、ことさらに現地の発音を真似する必要もないと思いますが、現地には別の発音もあるのだと思っておく必要はあると思います。

ま、現地の音を真似するのも語学の楽しみの一つではありますけどね(笑)。

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