第78回 これ?それ?あれ?どれ?

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A:这是什么?Zhè shì shén me ?
B:那是巧克力。Nà shì qiăo kè lì .

こういった会話、なんとなく教科書に出てきそうな会話文ですね(笑)。しかし、これはかなり不自然な会話文らしいのです。日本語に訳すとこんな感じですかね。

A:これは何ですか?
B:それはチョコレートです。

まぁ、ちょっと固い感じはありますが、そう変でもないと思います。しかしこう訳すとかなり変になります。

A:これは何ですか?
B:あれはチョコレートです。

何か、AさんとBさんの間で意思の疎通が上手くいっていない雰囲気が感じ取れますね(笑)。上に書いた中国語の会話文の違和感は、この感じと似ていると思います。おそらく日本語の「これは何ですか?-それはチョコレートです」というのをそのまま中国語に訳したのでしょうね。

そもそも、中国語の「这」と「那」の使い分けと、日本語の「これ」「それ」「あれ」の使い分けをよく分かっていないといけませんね。

这:話し手の近くにあるモノを指す
那:話し手の遠くにあるモノを指す

これ:話し手の近くにあるモノを指す
それ:聞き手の近くにあるモノを指す
あれ:話し手からも聞き手からも遠くにあるモノを指す。

つまり、「これ」が「这」と対応し「あれ」が「那」と対応するのはいいのですが、「それ」は場合によって「这」にも「那」にもなりうるわけです。

さて、ここで、冒頭の会話文を考え直してみましょう。

「これは何ですか?」と尋ねられた時、話し手と聞き手が実際に会って話している状態であれば、Aさんにとって近くにある「これ」はBさんにとっても近くにあるので、

A:这是什么?(これは何ですか?)
B:这是巧克力。(これはチョコレートです。)

という会話なら想定できますね。

では、教室で先生がチョコレートを手に持って「これは何でしょう?」と生徒諸君に問いかけたとしましょう。それを教室の一番後ろの席にいる生徒が答える時はどう答えましょうね。

先生:这是什么?(これは何ですか?)
生徒:?????

さぁ、なんと言うのが自然でしょう。一番後ろの席から見ると先生が持つチョコレートはかなり遠い存在のはずですから「那是巧克力。(あれはチョコレートです)」と言うのでしょうか。

どうもそうではないようです。といって、「这是巧克力。」と言うには、生徒さんからみてチョコレートが遠すぎるでしょうね。

こんな場合は、こう答えるのが一番自然だそうですよ。

先生:这是什么?(これは何ですか?)
生徒:(是)巧克力!(チョコレート!)

日本語でもそうですね。「これは」とか「それは」とか言わなくても、述語だけ言えば事足りるという点は中国語もよく似ています。

皆さんも、迷ったら、色々考えるのはよして、述語だけで答えちゃいましょう♪簡単でいいでしょう?(笑)

でも、一番いいのは「日本語ならこうなのに」とか思わずに中国語の言語習慣を観察して、どんな時に主語を入れてどんな時に主語を言わないか、どんな時に「這」を使いどんな時に「那」を使うのか、等を把握することだと思います。

特に、簡単だと思っている言葉ほど使い方が難しいので、要注意ですね。

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