第76回 ひょんなことから

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中国語と日本語が、歴史的に見て非常に密接に影響しあって発展してきたことは皆さんもご存知の通りです。
中国と日本で漢字を共有していることからもお分かりですよね?

単語にしても「これは日本語から入ってきたものだ」とか「これは中国語から入ってきたものだ」と分かっているものもたくさんあるわけですが、そうとは知らずに使っているものも結構あるらしいのです。

たとえば「ウマ」という言葉、「ウメ」という言葉。

これらはいずれも日本に古来から存在する動植物ではありません。だから、日本独特の呼び名が無かったのでしょう。そこで、中国語の「馬」の発音を聞いて「んま〜」と聞こえることから「うま」としたとか。「梅」も発音を聞いて「んめぃ」と聞こえることから「うめ」としたとか。

つまり「ウマ」も「ウメ」も元は音読みだったのですね!現在は訓読みとして紹介されていると思いますが。

では、「菊」はどうでしょう。「菊」は「キク」と読みますが、これは音読みとして登録されていると思います。そして訓読みは…存在しないのですね。この字は音読みしかありません。多くの人が「キク」という読み方は訓読みだと思っていると思いますが(僕も長らくそう思っていました)、実はこの字は中国語の音を転写した読み方だったのです。確かに、菊も日本の古来の種ではないようですものね。

先日テレビのクイズ番組を見ていると、「漢字の『凶』という字の中国語読みをそのまま使った日本語の言葉があるがそれはなんでしょう」という問題がありました。答え、分かりますか?

答えは、なんと「ひょんなことから」の「ひょん」でした!

え?「凶」はxiōngだから、カナで書くと「シオン」とか「ション」とかじゃないの?と思った人もいることと思います。実は「凶」を「ひょん」と読むのは唐の時代の音だそうで、現代語ではないのですね。

中国語もかなり激しい変化をしてきていますので、むしろ日本や朝鮮半島などに古い音が残っている例があります。「ひょん」はその一例と言えそうです。
「そんな、元々『ひょん』だったモノが現代中国語では『しょん』になるなんて、違いすぎる!」と思われる人もいるかもしれませんが、ちゃきちゃきの江戸っ子の中には「ひ」と「し」の区別ができない人もいると聞きます。「ひびや」と「しぶや」の区別があまりないのだそうです。
関西では「質屋」のことを「ひちや」と読みます(実際に看板に「ひちや」と書いてあることすらあります)。それを考えると、そんなに不思議な現象でもないですよね。

ここまでは信憑性がかなり高いようですが、以下のものについては、相当怪しいので(笑)、適当に笑って読み流してください。

僕の母がよく言っていたのですが、もしかしたら僕も「そうかも」と思っている言葉があります。

お風呂の幼児語ですが、皆さんはどう言っていましたか?僕の家では「たんたん」と言っていました。大阪の言葉って声調があるのですが(笑)、「たんたん」はピンイン風に書くとtan3 tan4という感じです。

まぁ、声調はともかく、この「たん」という音、どこから来たのかな〜と思っていたのですが、ある日、母が「これは中国語から来たんちゃうか?(来たのではないか?)」と言ったのです。

つまり、「湯」という字は中国語でtāngと読みますね。お風呂はお湯を使いますから、ここから来たのではないかと。。。

現代中国語では「湯(汤)」とは「スープ」のことですから、それは違うだろうと思っていたのですが、昔から「スープ」の意味しかないとは限らないし、もしかしたら関係あるかもしれませんね(笑)。

それから、大阪では「うんち」のことを「ばば」と言います。この言葉、関西以外では通じないということを最近知り、非常に驚きましたが、皆さんはご存知でしょうか。「ねこばば」という言葉は、「猫が脱糞後、脚で土砂をかけて糞を隠す」ということから「悪行を隠して知らん顔をすること。落し物などを拾ってそのまま自分のものにしてしまうこと。」を言うようになったのですよ(広辞苑参照)。

それはさておき、中国語の幼児語で「うんち」のことをこんなふうに言います。

巴巴
bă ba

これ、絶対大阪の「ばば」と関係あると思うんですけど(苦笑)。

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