第63回 進行形アレコレ

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前号メルマガでは「呢」のことを書きました。その中で進行形について触れましたが、今日は進行形をちょっと考えてみましょう。

皆さんもご存知の通り、中国語の進行形の作り方って面白いですよね。何種類かあるのですが、それらを1つだけ使ってもいいし、2つ以上組み合わせてもいいし、全部くっつけてもいい、と習いました。英語なら「be動詞+-ing」という形しかないと思うのですが、中国語はどうしてこんな「どれでもいいし組み合わせてもいい」という情況になっているのか、と生徒さんから詰め寄られたこともあります。

まぁ、まずは一つひとつ見ていくとしましょう。

前号でも書きましたが、情況描写の言葉に「呢」をくっつけて相手に投げつけるのですね。すると、ある読者の方からご意見を頂戴しました。

我母亲洗衣服呢。

wŏ mŭ qin xĭ yī fu ne
私の母は洗濯をしているところです。

この例文は、「你母亲呢?nĭ mŭ qin ne(お母さんは?)」という問いかけに対する答えではないか?と。つまり、いわば「呢」のキャッチボール、と。

まさに、わが意を得たり、という感じでした。その通りだと思います。

つまり、「お母さんは?(どこ?)」と聞かれると、「居間」とか「トイレ」というように場所を答えることもあるでしょうが、「ご飯作ってる」とか「仕事中」とか、お母さんの現在の情況を答えることもあると思うのです。そういうことを答えたい時に「呢」を使うのですね。

ですから、「呢」には元々進行形を作る機能があるわけではなく、結果として進行形の意味を持ち合わせただけという気がします。

我们正讨论问题。

wŏ men zhèng tăo lùn wèn tí
私たちは正に話し合っているところだ。

この「正」は動詞を強調する副詞だと思います。日本語の「正に」というのが丁度ぴったり来るように思っています。この場合は「討論する」という情況を強調しているだけのように思います。要するにこの文が何を言いたいかというと、「今正に討論してるところ」という進行の意味になるわけですが、これも二次的な意味のような気がしますね〜。

ちなみに、この「正」は、単独で使われて進行形の意味を表すことはあまりないようです。「正在」となるか、文末に「呢」を置くのが普通のようです。そういうところから見ても、この「正」が進行形の機能を本来的には持っていないことを証明しているようにも思います。

普通「在」は場所を表す動詞または介詞(前置詞)という感じですから、「在」の後には名詞が来ますよね?たとえば:

我在这儿呢。

wŏ zài zhèr ne
私はここにいるよ。

他在图书馆看书呢。

tā zài tú shū guăn kàn shū ne
彼は図書館で本を読んでいる。

進行形を表す「在」も同じことのように感じています。つまり:

我在吃饭呢。

wŏ zài chī fàn ne
私はご飯を食べているところだ。

つまり「吃饭」という状態に「いる」ということをこの「在」は表しているのではないかなと思うのです。時間的に「在」を用いている感じですね。

そう思うと、これもまた偶然進行形の意味を持ってしまっただけで、元々進行形の意味を持っていたわけではなさそうですよね。

以上3種類、全て出自が違いますね。元々の意味もそれぞれ違うようです。だからこそ、それぞれが組み合わされて使われても構わないのでしょう。
「呢」は語気助詞、「正」は副詞、「在」は何でしょうね。介詞と見てもいいでしょうかね。以上のようにそれぞれ文法的にも同一ではありません。だから1つの文に2つ以上の進行を表す成分が同居しても構わないのでしょう。

それぞれのニュアンスも分かった上でもう一度見直すと、またそれぞれが違って見えてくるかもしれません。そういうふうに(つまり出自を知るということ)語学は勉強したいものですね。

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