第62回 投げつける「ne」

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日本語の文の最後に軽く添える「ね」とか「よ」とか、いわゆる「終助詞」と呼ばれているものって、本当に軽く意味を添える程度で、実体的な意味や役割はあまり感じられませんよね。

中国語の「終助詞」(中国語では「語気助詞」と言います)は、実体的な意味や役割がないものもありますが、結構大きな役割を担っていることもあります。時々生徒さんから「文末にちょっと小さな音がつくだけで、随分と大きな意味が加わるのですね〜!」と驚かれることがあります。

たとえば、いつも「便利だな」と思うのが「了」。「状況の変化」や「新しい状況の発生」を表す「了」です。

我会。/我会了。
wŏ huì/wŏ huì le
私は出来ます。/私は出来るようになりました。

「了」がつくだけで、この違い。ちょっと感動モノですよね(笑)。

このように、意外と侮れない中国語の語気助詞ですが、今日は僕の大好きな(?)語気助詞 「呢 ne」 について、ちょっと考察してみたいと思います。

「呢 ne」には色々な用法がありますね。

省略疑問文

我去公园,你呢?

wŏ qù gōng yuán, nĭ ne
私は公園へ行くが、君は?

これは、省略しないで全て言うと「你去哪儿?」(君はどこへ行く?)となるのでしょうが、動詞「去」と疑問詞「哪儿」を省略してその代わりに「呢」を言って済ませてしまうわけです。便利ですね〜!

この例文のように、何の話をしているのかが明示されている場合もありますが、いきなりこんなふうに言われることもありますね。

他呢?

tā ne
彼は?

日本語でも同じように省略するのでわかるでしょうが、この場合は「他在哪儿?」(彼はどこにいますか?)とか「他去哪儿了?」(彼はどこに行きましたか?)という意味です。いるはずと思ってある場所に行ってみたものの実際にはいなかった時などに用います。

つまり、何かの状況に関して、ある人についてはどうなのか聞きたいときに、主語だけ言って「呢」をつけて相手に投げつける、そんな助詞のような気がします。

疑問詞疑問文の文末に置く

怎么不去呢?

zěn me bú qù ne
どうして行かないのさ?

これは「怎么不去?」といっても構いませんが「呢」がつくことで、相手に返答を促すようなニュアンスが加わるようです。

これも、僕には、疑問詞疑問文に「呢」をつけて相手に投げつけているような感じがします。投げつけると相手も投げ返さざるを得ないですからね。。。(笑)つまりそういうところから「返答を促すニュアンス」が生まれてくるのかな、と思うわけです。

進行形

我母亲洗衣服呢。

wŏ mŭ qin xĭ yī fu ne
私の母は洗濯をしているところです。

文の最後に「呢」を置くだけで進行形になるんですか?とビックリ仰天された生徒さんがいましたっけ(笑)。僕はなぜか自分が学生の頃はこの件についてはそれほど驚かなかったと思いますが、確かに考えてみると「呢」という語気助詞がつくだけで進行のニュアンスが加わるというのは、面白い現象ですね。

これも、「私の母は洗濯をする」というイメージ(というか映像?)に「呢」をつけて相手に投げつけて、そのイメージを相手に対して提示しているような感じを僕は受けています。

つまり、現在こういう状況なのです、ということを相手に提示するような感じですね。結果的に進行形になるわけです。

どうしてこう思うようになったかというと、映画「おはよう北京(原題:北京你早)」のあるシーンを見たからです。映画の中で主人公格のバスの車掌さん(若い女性)がドア附近から動こうとしない乗客に対してしかりつけます。「あんた、降りるの?降りないなら奥に入ってよ。」と。

それでも無視する客に対して彼女がこう言いました。

说你呢!

shuō nĭ ne
あなたのことを言っているのよ!

この言葉の勢い、単なる「進行形」では済まされません。まさに、投げつけていました(笑)。

というわけで、今日のまとめ。

「呢」は、相手に「投げつける」(提示する)

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