第59回 「的」「地」「得」

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中国語は全部漢字ですから、全ての字に意味があるわけですが、やはり名詞、動詞、形容詞として使われる字は意味が強く、介詞(前置詞)や助詞として使われる字はあまり意味がありません。

それでも介詞はまだ、その字の元々の意味を少し保っているようですね。たとえば「在」は「〜〜にある」という意味から「〜〜で」という意味になるのは簡単に想像がつくでしょう。

また助詞の中でも動態助詞と呼ばれる「了」「过」「着」も、字の意味が少し感じられる気がします。

しかし「的」「地」「得」の3つは、字の意味がほとんど感じられない気がしますね。

今日はすっかり記号化してしまったようなこれら3つの助詞について考えてみたいと思います。

ご存知の通り、これら3つの助詞は、いずれも「de」と読みます。多くの場合軽声で読まれますね。時々混同されて、「地」や「得」を使うべきところで「的」が使われていたりします。中国語ネイティブスピーカーの頭の中では、そんなに違いがないのかもしれませんね。しかし、一応使い分けがあります。ちょっと整理しておきましょう。

「的」

名詞を修飾する言葉にくっつきます。日本語の「の」にそっくりですね。

我的书

wŏ de shū
私の本

「的」の前は名詞だけでなく形容詞や動詞が入ることもあります。この用法は日本語の「の」にはありませんね。

聪明的孩子

cōng ming de hái zi
賢い子供

吃的东西

chī de dōng xi
食べる物

いずれにせよ、「A的B」という形をとって、「A」が「B」を修飾する関係を表すのが「的」の役割です。

「地」

動詞等を修飾する言葉にくっつきます。

坦率地说

tăn shuài de shuō
率直に言う

像年轻人一样地喝酒

xiàng nián qīng rén yí yàng de hē jiŭ
まるで若者のように酒を飲む

つまり、「A地B」という形をとって、「A」が「B」を修飾する関係を表すのが「地」の役割です。

おや?「的」とそっくりですね。要するに「的」は名詞にかかり「地」は動詞等にかかるだけで、働きはそっくりというわけです。音も同じで字で書き分けているだけですから、元は同じものだったのかもしれませんね。

「得」

動詞等の後にくっついて動作の様子や程度を表す語を導きます。

唱得很好

chàng de hěn hăo
歌うのが上手い

英语说得很流利

yīng yŭ shuō de hěn liú lì
英語を話すのが流暢だ。

この「得」の後に入る部分は、ふつう「程度補語」とか「様態補語」と呼ばれています。つまり文として見た場合、この「得」の後に入る部分は「補語」なのでそれほど重要でないような印象を持ってしまいますね。ということは「A得B」という形をとった場合、Aの方が重要でBは飾り、なのでしょうか?だとすると、「的」や「地」とは反対ですね。「的」も「地」も、Aが飾りでBが中心なのですから。

しかし、果たしてそうなのでしょうか。

他の補語と違って程度補語は、話者の最も言いたいことを担っているように僕には思えます。たとえば、程度補語の文の述語動詞は否定形にできません。否定文にするなら補語の部分を否定します。

(X)英语不太说得流利→(O)英语说得不太流利
(英語を話すのがあまり流暢でない)

否定文というのは、ふつう文の一番重要な「結論部分」を否定するものですよね?ということは、程度補語の文の結論部分は、まさに「程度補語」の部分なのではないかと思うのです。

ということは、「A得B」という形をとった場合、Bが結論なのですから、Aはやはり飾り。Aの方が飾り的でBが中心ということになるのではないでしょうか。

上の例「英语说得很流利」であれば、「说」が「流利」のことを補足しているのかもしれないということです。「流暢だ」というけれどどんな動作が「流暢」なのか補足すると「話す」という動作だ、という感じですね。

こうなってくると、「得」も「的」や「地」と同じ働きといえなくもないような気がしてきました。「A de B」とした場合、Aが飾りでBが中心だ、という意味では同じように思うのです。

大雑把すぎますかね?(笑)

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