第58回 「多吃一点!」

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「たくさん食べなさい」って中国語でどう言いますか?
中国人の家で食事をいただいたことのある人は必ず言われていると思いますが(笑)。

多吃一点!

duō chī yì diăn

この「多」の位置、初心者の方々にしてみると、ちょっと違和感を感じるかもしれませんね。僕の友人が時々僕に聞いてきたことがありました。

「どうして吃多一点じゃないの?」

どうしてなんでしょうねぇ。

と言いますか、「吃多一点」でも文法的には間違いではないと思いますし、インターネットで検索してみたら、このような言い方も出てきますね。たとえば:

吃多一点就感觉胃里有气。

chī duō yì diăn jiù găn jué wèi li yŏu qì
たくさん食べたら胃にガスが溜まっているような感じになる。

さて、「多」が動詞の前につくか後ろに入るかでどう違うのでしょうね。

「多」は形容詞ですから、後ろのものを修飾する性質があります。だから、動詞の前に出ると、動詞を修飾するような感じになります。

多吃一点…「多」が「吃」にかかる。つまり副詞的。「たくさん食べる」

それに対して動詞の後ろにある「多」はその後にある省略された名詞を修飾します。

吃多一点…「一点」の後に「菜cài(料理)」とか「东西dōng xi(もの)」といった名詞が省略されていて、そこにかかる。「たくさん(の料理/もの)を食べる」

日本語に訳してしまえばたいして変わりませんが(笑)、中国語だとちょっとニュアンスの違いがあるのが分かりますか?前者「多吃一点」は食べるものではなく「食べる」という行為自体にスポットが当たっている感じです。だから僕の感覚では、人がパクパクとたくさんのものを「食べている様子」が見えてくる感じがします。

後者「吃多一点」は、もう少し「食べるもの」を意識しているように思えます。

ただ、「たくさん食べなさい」と言いたい時は、食べるものよりも「食べる」という行為に意識が向いているように思うので、やはり「多吃一点」という言い方が圧倒的に多いように思います。

たとえば他の例。

少放点盐。

shăo fàng diăn yán
塩控えめにして。

この文の場合、「放(入れる、混ぜる)」という動詞の目的語「盐(塩)」がハッキリ出ているのですが、「少」は動詞「放」の前に出ています。つまり、副詞的。

これもやはり、塩の量よりも、塩をふる動作を少なめにする、というようなニュアンスだと思われます。

少说几句!

shăo shuō jĭ jù
ちょっと黙ってよ!

直訳すると「何フレーズか少なく話せ」ということですが(笑)、要するに「うるさい!」とか「喋るな!」というようなニュアンスで使われる言葉です。日本語から考えても分かるように、こういうとき最も言いたいことは「喋るな!」ということで、つまり動作を制止したいわけです。
「少说几句」も、具体的な喋る量ではなく、動作(この場合は「说(話す)」)を控えめにすることが言いたいわけです。だから「少」が動詞「说」の前に出ているのだと思います。

最後に、ちょっと違いますが、これはどう違いますか?

  • 多喝点! duō hē diăn
  • 喝多了。 hē duō le

前者は「たくさん飲め!」という意味ですが、後者は「飲みすぎた」というような意味です。これは結構違いが分かりやすいように感じますがどうでしょうか。後者は「喝」という動詞の後に「多」という結果補語がついた形です。飲んだ結果その量が多くなった、という感じです。

以上、色々見て来たように、「多」や「少」の位置が動詞の前か後ろかで色々と変わってしまうのです。やはり中国語は語順が命。気をつけましょう。

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