第47回 2つの「了」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

中国語には2種類の「了」があります。
1つは、「完了」を表す動態助詞の「了」。もう1つは、状況の変化を表す語気助詞の「了」。

他寄来了一封信。

tā jì lái le yì fēng xìn
彼は手紙を一通送ってきた。

この文の「了」は動詞の後に位置していますので、動態助詞の「了」です。完了の意味を表します。

春天了。

chūn tiān le
春になった。

この文の「了」は文末に位置していますので、語気助詞の「了」です。状況の変化、もしくは新しい状況の発生を表す助詞です。この文の場合、「春になる」という新しい状況が発生したことを表しています。

このように2つの「了」は意味も用法も違いますが、見かけが同じ(発音も同じ)なので、時々見分けがつきにくくなります。例えば:

吃饭了!

chī fàn le

この文は状況によって意味が変わるような気がします。

お母さんが台所から子供達に対して大きな声で叫んでいるなら、「ご飯よ〜!」「ご飯の時間よ〜!」というような意味です。

この場合「ご飯を食べるという状況になった」ということですから、語気助詞の「了」です。

一方、誰かから「吃饭了吗?(ご飯食べた?)」との質問をうけ、それに対する答えとして言われた言葉であるなら「ご飯食べましたよ。」という意味です。こちらは「完了」を表す動態助詞「了」ですね。

さてここから本題です(笑)。

時々、1つの文の中に両方の「了」が出ていることがあります。例えばこんな文です。

我学了十年汉语了。

wŏ xué le shí nián hàn yŭ le

「了」が2回出てきますね。

実は僕は、結構長い間、どうして「了」が2回必要なのか知りませんで、適当にやっていました。「10年間勉強した」という完了の意味を言いたいのだから1つ目の「了」が必要なのはわかりますが、最後の「了」をつけるかどうかは、適当なのかなって…(笑)。

でもそうではないのです。ちゃんと意味がありました。最後の「了」があるかないかで意味が違うのです。ちょっと比べてみましょう。

我学了十年汉语。私は10年中国語を勉強した。
我学了十年汉语了。私は10年中国語を勉強している。

つまり、最後の「了」があることで、勉強がまだ続いていることを示すのです。

僕がこのことを知ったのは中国語を教えるようになってからのことでした。あるテキストに「2つ目の了は継続を表す」と説明されており、その時初めて知ったのです(笑)。

では、どうして継続の意味が出るのでしょうか。文末の「了」は状況の変化を表すはずなのに。この文の最後の「了」は、何か別の意味・用法を持つ「了」と考えるべきなのでしょうか。

いやいや、そうではありません。やはり、状況の変化を表す語気助詞の「了」なのです。

この「了」は、「我学了十年汉语」という状況が今現れた!…という意味なのですね。

「我学了十年汉语。」という文は、「勉強する」という行為が発生して10年後に完了したことは言っていますが、行為完了の時期がいつなのか明示されていません。しかし、この文の文末に「了」がつくことで、行為完了の時期が「今」だということが明示されるのです。

つまり、「今現在で中国語を勉強して10年になった」という意味なのです。

丁度英語の「現在完了形」の継続用法と同じ感じですね。英語ならこう言うのでしょうか。

I have studied Chinese for ten years.

英語も、動詞の形は完了形なのに、意味は継続なのです。こういう点、中国語と英語は感覚が似ていると言えなくもないですね。

中国語翻訳のお問い合わせはインターブックスにどうぞ

それぞれの国の事情を理解したネイティブ翻訳者が翻訳を担当いたします。
台湾語をはじめ北京語、広東語、上海語などの方言や簡体字、繁体字などにも対応しています。
電話番号 03-5212-4652
お問合せはこちら

関連する記事