第41回 音訳語って面白い

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以前にもこのメルマガで「白俄罗斯」がベラルーシで「南斯拉夫」がユーゴスラビアで、「宙斯盾驱逐舰」がイージス艦で、それぞれ意味を考えて訳してあり完全な音訳語ではない、というような話をしましたね。

今日は完全な音訳語なのだけどちょっと不思議なものをご紹介してみます。

マドリード

ご存知の通り、これはスペインの首都です。中国語では

马德里 mă dé lĭ

と言います。

どうでもいいようなことですが、日本語では「マドリード」もしくは「マドリッド」と呼んでいますよね?この最後の「ド」は中国語では発音されていません。一体どこに行ってしまったのでしょうか?

アルファベット表記では「Madrid」と書くようですが、やはり語末に「d」があります。

まぁ、きっとその辺は適当なのだろうと思っていたのですが、実は当のマドリードでは、最後の「d」は発音しないらしいのです。つまり「マドリー」というように発音するのだそうです。

はは〜。中国語ってすごいですね!そこまで考えて訳語を作っているのでしょうか。

ノロウィルス

急性胃腸炎を引き起こすノロウィルス、日本でも最近有名になりましたね。このノロウィルス、中国のテレビニュースで

诺瓦克病毒 nuò wă kè bìng dú

と言っているのを聞きました。

「诺瓦克」が「ノロ」??? あまり似ていませんね。

これはちょっと調べるとすぐ分かりました。ノロウィルスは発見された当初「ノーウォークウィルス」(Norwalk virus)と言われていたらしいです。(ノーウォークとは地名)

「ノロウィルス」と呼ばれるようになったのは2002年のことのようです。まだ最近のことですから「诺瓦克病毒」という古い(?)言い方が一般には多いのかもしれませんね。
(「诺如病毒nuò rú bìng dú」という言い方もあるようです。こちらははっきり「ノロウィルス」の音訳語ですね。)

マグニチュード

日本は地震の多い国ですね。中国は日本ほど多くないかもしれませんが、大きな地震が割り合い頻繁に起こっています。

ところで、地震の規模を表す単位はマグニチュードと呼ばれていますね。震度は各国で違うようですが、マグニチュードは万国共通のようです。このマグニチュードのことを中国語では

里氏 lĭ shì

と言います。例えば「里氏8级 lĭ shì bā jí」(マグニチュード8)というような感じです。

マグニチュードと「里氏」。これもまた全然音が似てません。初めて見た時は何のことか分からず、手元の辞書にも乗っていない言葉なので、困った覚えがあります。文脈からはマグニチュードのことだろうなという予想はつくのですが、中国では何か他の単位が使われているという可能性も否定できないわけですし。

でも少し調べると分かりました。マグニチュードという言い方は、国際的には(特に英語圏では)あまり言わないようで、むしろ「リヒタースケール」または「リクタースケール」(Richiter scale)と言うようです。これは「チャールズ=フランシス=リヒター」(Charles Francis Richter)というアメリカの地震学者が考案したのだそうです。

つまり、「里氏」とは「リヒター氏」という意味なのです。

温度の単位で摂氏とか華氏というのがありますが、それと同じような感じですね。

摂氏はセルシウスという人が考案した温度の単位ですが中国語でセルシウスに「摄尔修shè ěr xiū」という字を当てたことから「摄氏(摂氏)」と言うようになったそうです。
華氏はファーレンハイトという人が考案したものですが中国語でファーレンハイトに「华伦海特huá lún hăi tè」という字を当てたことから「华氏(華氏)」と言うようになったそうです。

中国語では国際的な言い方であるリヒタースケールに習って「里氏」と言っているのは、なるほどよく分かりました。今度はなぜ日本語ではリヒタースケールという言い方が定着していないのかが不思議です(笑)。言葉に対する興味は尽きませんね。

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