第37回 映画は好きですか?

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皆さんは中国映画をよく見ますか?

僕は、最近あまり見ていませんが以前は大好きでした。もともとそんなに映画が好きな人間ではないのですが、中国語の勉強のためと思い、よく見に行ったものです。当時は関西に住んでいたのですが、月に一回京都で中国映画祭というのをやっていて、色々見ることができたのでラッキーだったと思います。

映画を見ることの意義は、やはり色々な表現を生きた状態で覚えることが出来るということでしょうか。もちろんドラマでもいいのですが、僕が中国語を学び始めた頃は、ドラマなど絶対に見ることができませんでしたので、映画を見るしかなかったのです。

日本に入ってくる中国映画は社会派の映画ばかりで、重苦しいのですが(笑)、中国語の勉強という点ではかえってその方が都合がいいのです。娯楽映画だと言葉は早口ですしアクション物ですと掛け声の類がやたらと多く、役に立つ表現が効率よく仕入れられるとはいえませんから。

今日は僕が映画からどのような言葉を仕入れたのか、一部をご紹介します。

西太后

脱税で逮捕されてしまった劉暁慶(刘晓庆liú xiăo qìng)という女優さんが主演しています。西太后なら劉暁慶というくらいのはまり役でしたし素晴らしい才能を持った女優さんでしたが、残念ながら、もう出てきませんね。

西太后というと清朝の咸豊帝の妃です。ですからこの映画は清朝の時代を描いています。
ゆえに、少々言葉が難しい。日本で言えば江戸時代を描いた時代劇映画を見ているようなものです。しかし、全く歯が立たないわけでもありません。いくつか覚えた言葉がありますが、その中から1つご紹介します。

先开花后结果

xiān kāi huā hòu jiē guŏ
(直訳)先に花開き、後に実がなる

この言葉は、「先花后果」とも言います。辞書を見ますと「先に女児を生み、後に男児を生む」(大修館書店『中日大辞典』)とか「一姫二太郎」(光生館『現代中国語辞典』)と書いてあります。いずれも用例は出ていませんので、どのような使われ方をするのか分からないのですが、この映画でよく分かります。

咸豊帝の寵愛を受けていた麗貴人(丽贵人lì guì rén)が出産し、それが皇女だと分かった時、咸豊帝は非常に落胆します(やはり男の子が欲しかったのですね)。その時側近が言うのです。

皇上。“先开花后结果”。
huáng shang. “ xiān kāi huā hòu jiē guŏ.”
陛下。「先開花后結果」でございますぞ。

つまり「まず女の子が生まれたので、次は男の子が生まれますぞ!」と言って励ましているのです。とすれば、日本語の「一姫二太郎」とはちょっと意味がずれているように思います。

映画のお陰で、この言葉がどういう含みを持っているかが分かりました。西太后さまさまです(笑)。

ちなみに、「结果」は普通「jié guŏ」と読みますが、「実をつける」という意味で使われる場合は「jiē guŏ」と読みます。気をつけてくださいね。

我的父亲母亲(日本語タイトル:初恋の来た道)

この映画は日本でも結構ヒットしましたね。この映画がキッカケで中国に興味を持ち始めた人もいると聞きます。

この映画で僕が覚えた単語は、ちょっとどうでもいいような単語です(笑)。

发夹

fà jiā
ヘアピン

主人公の女の子が、初恋の男性からヘアピンをもらいます。その日、男性は離れたところへ行ってしまうのですが、それを知った彼女は手作りの餃子を持って追いかけます。しかし途中で転んでしまって果たせませんでした。その時、もらったばかりのヘアピンがなくなっていることに気づき、探すのですがなかなか見つかりません。あきらめて家に帰って来ると、家の入り口のところに落ちていたのを見つけ、心から安心するのでした。

このヘアピンという単語ですが、僕は男ですしかなりの短髪ですので、自分には全く必要のないものです。こういう単語は弱いのです。普段自分と縁のないものや興味のないものの中には、まだまだ知らない単語がたくさんあると思います。こういう単語は、知らないということに気づきさえしないので、厄介ですね。

ところで、気になることが1つ。辞書で「发夹」を調べると、fà jiāと書いてあります。
僕の手持ちの辞書はすべてこう書いてあるのですが、この映画ではfà jiaとなっていました。つまり、「夹」の字は軽声になっているのです。

軽声は本当に不思議な存在です。人によって違うのか、地域によっても違うのか、年代によっても違うのか、あるいは辞書が間違っているのか。僕としては、とりあえず耳で聞いたものを一番信用することにしています。やはり耳で実際に聞いたものが一番「生の情報」だと思うからです。

言語はナマモノですから、常に生の情報を仕入れるように気をつけたいものですね。

おっと。ちょっと長くなってしまいましたね。まだまだお話したい映画の台詞があるのに(笑)。続きは、またの機会にお話しすることにします。

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