第32回 ヴィジュアル系?(笑)

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まずは次の文をご覧ください。

我天天看书写文章。

wŏ tiān tiān kàn shū xiě wén zhāng
私は日々読書をしたり文章を書いたりしている。

この文は、「我」という主語について2つの述語がくっついています。すなわち、「看书」と「写文章」です。この二つの述語の関係は並列関係ですね。どちらの方が重要ということはなく、入れ替えてもさして問題になりません。

しかし、次の文はどうでしょうか。

我去买东西。

wŏ qù măi dōng xi
私は買い物に行く。

この文も、「我」という主語について2つの述語がくっついています。すなわち、「去」と「买东西」です。先ほどの1つ目の文と構造はそっくりですね。

しかし、この文の2つの述語は並列ではありません。この文の場合「私」は、どこかに行ったり買い物をしたりするわけではなく、「買い物をしに、行く」のです。この文の場合、2つ目の動詞句(买东西)は1つ目の動詞句(去)の目的を表しているのですね。

この2つ目の文のような文を「連動文」と言います。皆さんはもう習いましたか?

授業で連動文をお教えするときに、色々な文法書を見たりするのですが、たいていの文法書や辞書などでは、連動文をいくつかの種類に分けています。

最初の動詞句が方式・状況を表すもの

他用刀子刻字。
tā yòng dāo zi kè zì
彼は刃物を使って文字を彫る。

2つ目の動詞句が目的を表すもの

我去图书馆还一本书。
wŏ qù tú shū guăn huán yì běn shū
私は本を一冊返しに図書館に行く。

因果関係を表す

我有事没能参加。
wŏ yŏu shì méi néng cān jiā
私は用事があって参加できなかった。

等々…。

なるほど確かにそうですが、大雑把なO型(血液型)の伊藤祥雄はこんな細かく分けられると覚え切れません(笑)。

実は、連動文ってとっても簡単なのです。時間順に動詞句を並べているだけなのです。動作の発生順といえばお分かりでしょうか。

上の例文で見てみましょう。

我去买东西。

この文の場合、「去」(行く)という動作が先に発生し、その後「买东西」(買い物)という動作が発生するわけですよね?つまり、ちゃんと「発生順」に動詞句が並んでいるわけです。

他用刀子刻字。

この文の場合、「刃物を使う」ことと「字を彫る」ことは同時進行的ではありますが、まず「刃物」を手に取らなければ、「字を彫ること」は成立しえません。やはり発生順といえそうです。

我去图书馆还一本书。

これも同様です。図書館に行かなければ本を返すことはできません。やはり発生順です。

おそらく中国語を話す人の頭では、言おうとする一連の動作が映像として見えていて、それを、動作の発生順に並べて言っているような気がします。「これは目的だから後ろ」とは思っていないのではないでしょうか。

そういえば、以前のメルマガにこんなことを書いています。

  • 这时一辆出租车开过来(この時タクシーが一台やってきた)
    この文では、まず「出租车(タクシー)」に目が行き、それが走ってくる様子が見えてきますね。
  • 这时开过来一辆警车(この時パトカーが一台やってきた)
    この文では、まず何かが走ってくる様子が先に見えてきて、その後でそれが「警车(パトカー)」だったことが分かる、という感じです。

(「どっちでもいい?」参照)

目に見えたとおりに描写し、事実に即して言葉を配置する、それが中国語のような気がします。なんというか、視覚的な言語なのでしょうね。つまり、ヴィジュアル系?(笑)

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