第30回 ちょっと無理な構造なのですね

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皆さんは、中国語を勉強し始めてどのくらいでしょうか。勉強を始めていない人から、プロまで、色々な人がいるようですね。

通訳や翻訳をやっていると、僕なんかは日中両国語の違いをどうしても意識してしまいます。何の違いかというと、文の構造です。

日本語や英語では、名詞に長々と修飾語がつくことがあります。

「伊藤君は、中国の歴史や文化に興味を持っており、今年の夏休みには中国旅行を計画している、中国文学を学ぶ、中国語学科の学生です。」

この文、日本語としては、多少長いけどおかしくはないと思います。

日本語はこうやってダラダラと文を長くすることが可能です。聞いているほうは、多少イライラしたとしても、意味が分からなくなることは、あまりありません。

英語では同じ文をどういうか、僕は自信がないので書きませんが(笑)、でも構造としては「伊藤君は中国語学科の学生です」という文をまず作って、「学生」の後に関係代名詞等をつけて後ろに修飾語をつけて長くしていくのではないでしょうか。

英語では、動詞(この場合は「is」)の直後に述部の名詞(この場合は「a student」)があり、修飾語はその名詞の後に続きます。ですから少々長い修飾語がついても平気です。

He is a student who studies Chinese literature.
(関係代名詞whoの後がどんなに長くなっても、「is」と「a student」が直結しているので大丈夫。)

日本語では、主語の後は、まず名詞が来て、その後に締めくくりとして動詞等がおかれます。その結果、やはりその名詞と動詞等は近い位置関係にあります。修飾語は名詞の前に置かれるので、修飾語が少々長くなっても被修飾語の名詞と動詞は近いところにあるので、問題ないわけです。

「伊藤君は、中国文学を学ぶ学生です」
(「中国文学を学ぶ」の部分がどんなに長くなっても、「学生」と「です」が直結しているから大丈夫。)

ところが中国語だとどうなるでしょうか。

「伊藤是学习中国文学的学生。」
yī téng shì xué xí zhōng guó wén xué de xué sheng

この程度の長さであれば、「学习中国文学的」が「学生」にかかっている修飾語だということがはっきり分かりますが、「学习中国文学的」の部分がド〜〜〜っと長くなると、「是」と、「学生」との間が非常に遠くなってしまいます。こうなると、文構造が分かりにくくなってしまうのです。

「伊藤是对中国的历史、文化很有兴趣的,今年暑假准备到中国去旅行的,学习中国文学的,中文系的学生。」
(「是」と「学生」の間がものすごく遠い。)

まぁ、これでも間違いとはいえないし、分からなくなるとも言えませんが、かなり無理があります(笑)。日本語ならそう変でもないですのに。

中国語としては、こう言うのが多分自然だと思います。

「伊藤是中文系的学生。他学习中国文学,他对中国的历史、文化很有兴趣。今年暑假他准备到中国去旅行。」
(伊藤君は中国語学科の学生です。彼は中国文学を勉強しており、中国の歴史や文化に興味があります。今年の夏休みには中国旅行を計画しています。)

長い文はドンドンぶった切る!これが日本語→中国語の極意です(大袈裟ですね…笑)。

そもそも、英語は文の最後が名詞であることが多いです。ですから、その名詞に長い修飾語をくっつけてもあまり問題はありません。日本語は用言(動詞・形容詞・形容動詞)で終わることが多いですよね?名詞はその前に置かれます。修飾語は、その名詞の前に置かれるので、これまた長くなっても問題ありません。

ところが中国語は、英語と同じように名詞で文が終わることが多いくせに、修飾語は名詞の前に置かれるのです。だから、動詞と目的語等の名詞が引き離されてしまって、文の構造が分かりにくくなるわけです。

  • 英 語:「主語」+「動詞」+「目的語」+(修飾語)
  • 日本語:「主語」+(修飾語)+「目的語」+「動詞」
  • 中国語:「主語」+「動詞」+(修飾語)+「目的語」

動詞と目的語等はできるだけ近い方がいいですよね。でないと分かりにくくなります。でも中国語は、構造上、動詞と目的語が離れやすくなっているわけです。

もともとちょっと無理がある構造と言えます(笑)。

だから、中国語を話すときは、あまり長い文にしないほうがいいのです。ま、その方が楽ですしね(笑)。問題は、長い日本語を中国語に訳すときです。そのまま訳さず、ドンドンぶった切っていきましょう。

反対に、中国語を日本語に訳すときは、どうしましょうか。

これは、そのまま短い文で訳した方が、いいですね。何語であっても、文学作品でもない限り、文は短い方がいいです(笑)。

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