第16回 漢字のセンス

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世間を騒がしていたホリエモン騒動。皆さんも興味を持って(あるいは切実な思いで)見ていらっしゃったことでしょうね。最近はすっかり報道されなくなりましたが。

さて、この件は、中国でも盛んに報道されていました。あの会社「ライブドア」の社名を中国語でなんというか、もうすでにご存知のかたも多いでしょうが、「活力门公司」というようです。

活力门

huó lì mén

最初僕は音声からこの言葉を知ったので、てっきり「ホリエモン」の音訳だと思ったのですが、よく見るとそれだけではないようですね。つまり、意味もLivedoorに近づけてあるようです。

少なくとも「live」の部分は「活」に当たるでしょうし(「活」は中国語では「生きる」という意味があります)、「door」ははっきり「門」ですから、意味を意識してつけられた名前であることは間違いないと思います。そしてそれでいて、恐らくは「ホリエモン」の音に近づけたのでしょう。つまり、意味と音の両方を考慮したネーミングだと言えると思います。

こういった会社名のような固有名詞をどう中国語に訳すか、これが結構面白いという話は以前のメルマガ(第7号)でもご紹介しました。今回は、漢字の選び方を中心に、中国語の外来語を見て行きましょう。

马自达

mă zì dá
これは、自動車会社のマツダです。他の自動車会社はそのまま漢字を中国語読みしている中で、マツダだけは違うのですね。

トヨタ:丰田
fēng tián
日産:日产
rì chăn 等など

マツダという会社は英語名も音を大切にしているようです。普通ローマ字(ヘボン式)で「まつだ」と書くとMatsudaとなると思いますが、英語の会社名はMAZDAとしています。確かに「まつだ」という時の「つ」の音は、ほとんど母音が聞こえないですから、この表記のほうがかなり実際の音に近いかもしれません。

こういう社風ですから、中国語名も「松田」を中国語読みするのではなく、「マツダ」の音を尊重したのでしょう。

そして、ただ音訳するだけでなく、漢字の意味も少し考えているように思えます。

「马 自 达」… 馬 自ら 達する

なんとなく暗に自動車のことを指しているようで、なかなかいいネーミングだと思いませんか?

迷你〜〜

mí nĭ〜〜
もはや有名ですが(笑)、ミニスカートのことを「迷你裙 mí nĭ qún」と言います。「裙」とはスカートのことです。つまり、「ミニ」の部分を「迷你」と音訳してあるわけです。

そして、これは意味も面白いですね。「君を惑わすスカート」というように読めます。ご存知のように、ミニスカートは男性にとってはとても魅惑的(?)なものなので、この発想で漢字があてられているわけですね。このセンス、すごいですね。

現在では、「迷你」は「ミニ」という言葉の音訳語としてすっかり定着した感があります。例えば:

迷你(mí nĭ )…自動車会社のMINI
迷你卡(mí nĭ kă)…小さなカード(ブロマイドのことのようです)

「迷你」は「君を惑わす」という所から、魅力的なというような、あるいは「君を熱中させる」というような含意もあると思うので、もはやただ単に「小さい」という意味を超えた言葉になっていますね。面白い現象だと思います。

伟哥

wěi gē
バイアグラのことです(笑)。もうすっかり有名になってしまいましたからご存知の方も多いかと思います。

音は、似ているとは言いがたいのですが、しかし確かに音を意識しているネーミングではありますよね。そして、この漢字の意味が面白いのです。「偉大な兄貴」とでも言いましょうか。(笑)

ちなみにこの薬の中国での正式な登録名は「万艾可 wàn ài kě」と言います。音は多少似ていますが、意味はあまり感じられませんね。俗称の「偉哥」の方が流布するのも頷けます。

このように、中国人は漢字選びにはかなりの労力を費やしているようです。しかし日本人だって漢字については負けていません。またいずれ、日本人の漢字のセンスについてもお話しする機会を持ちたいと思います。

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