第13回 いくつ

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もう〜い〜くつねーるーと〜、おしょうがつ〜。

おそらく誰もがご存知のお正月の歌ですが、僕は小さいとき、意味が分らず悩んだ覚えがあります。

「いくつ」というのは疑問詞ですよね?つまり、「いくつ」は疑問文の中で使われるはず。でも「もういくつ寝るとお正月」という文は、疑問文風ではありません。

もちろん、最後に「?」がついているとか、読むとき末尾を上がり調子で読めば疑問文になりますが、これだけ見聞きする分には、疑問文に見えません。それなのに、疑問詞「いくつ」が入っています。それで、幼いながらも不思議に思ったのでしょう。

ちょっと変わった子だったようです(笑)。

これが「いくつか」であれば問題解決です。「もういくつか寝るとお正月」。つまり、あと数日でお正月だ!と言っている意味になります。これなら僕のような変わり者でも分りやすいです。

あるいは「もういくつ寝るとお正月なの?」とでもなっていれば、やはり問題解決です。

この「いくつ」と「いくつか」。「か」の有無だけの違いですが、意味は大違いです。
「何/何か」、「どこ/どこか」、「いつ/いつか」、「どれ/どれか」等々。疑問詞と不定代名詞は、日本語でははっきり区別されます。

でも、中国語では区別がありません。だから初学者には結構難しいかもしれません。

例えば:

我想吃点儿什么。

wŏ xiăng chī diănr shén me
僕、何か食べたい

この場合の「什么」は普通「何」という疑問詞ではなく、「何か」という意味です。ところが、状況によっては疑問詞と取れないこともありません。つまり「僕は、何を食べたいのだろう」ということです。どちらの意味にもとれます。

結局、どちらの意味になるかは、文脈次第です。中国語には、文脈に依存している表現がかなり多く、時として意味が分かりにくいことがあります。

その点、西洋語は文法が複雑な分、文の意味はかなりはっきり表せますから、文脈によって意味が変わるということはあまりないと思います。習得するときは大変ですが、習得してしまえばとても便利なのが西洋語ということでしょうか。

さて、こういう疑問詞の不定代名詞的用法は、中国語ではかなり発達していて面白いです。
こんな表現があります。

那个谁在哪里?

nèi ge shuí zài nă li
あの人ってドコにいますか?

「あの人ってドコ?」というのを中国語に訳すと、「那个人在哪里?nèi ge rén zài nă li」でもいいのですが「那个谁在哪里?」という表現も耳にします。

これは、「あの〜、なんていう人だっけ、あの人、ドコにいる?」というニュアンスが入っていると思います。同じことを日本語で言おうとしても、ここまでコンパクトには言えませんね。

疑問詞の不定代名詞的用法が前後で呼応して複文を作ることも出来ます。

你想吃什么,就吃什么。

nĭ xiăng chī shén me, jiù chī shén me
食べたいものがあれば、何でも食べなさい。

無理に直訳すると、「君は何かを食べたいなら、その何かを食べろ」ということになりますでしょうか。これは、日本人にはなかなか馴染みにくい表現だと思いますが、慣れるととてもコンパクトで便利なので、是非習得してください。

1つの言葉に複数の意味・用法を与えるとややこしいことになりますが、その代わり大変簡便な表現で多くの意味を盛り込むことができます。先ほど西洋語は便利と言いましたが、中国語は簡素で無駄の少ない言語ということができるかもしれませんね。

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