第9回 声調って?

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中国語の声調がとても大事であることは、皆さんもご存知でしょう。声調が違うと意味が変わってしまって大変なことになることは、これまでにも書いてきました。

ところで、読者の方から質問を戴きました。「一」という字の声調についてでした。「一会儿」の発音について第8号メルマガで2種類の音(yí huìrとyì huĭr)がある、という話を書きましたが、辞書には「yī huìr」と書いてある、というご指摘でした。

実は、辞書は大抵、変調した音については表記せず、「一」は実際にどう読まれる場合でも「yī」と表記しているのです。本当は「yí huìr」と読んでいても、辞書や一部の教科書等では「yī huìr」と表記するわけです。

しかし、皆さんお使いのテキスト類の場合は、普通は変調後の音が表記されています。ですから、「一起」ならyì qĭ、「一共」ならyí gòngと表記されているわけです。ところが辞書なら「一起」はyī qĭ、「一共」ならyī gòngと表記されているので、そこから混乱が生じても仕方ありません。どちらかに統一すればいいですのにね。

同じようなものに、「不」があります。「不」は、もともとの発音はbù、つまり第4声ですが、「不」の次に来る字が第4声である場合、「不」は第2声で読みます。ですから、多くのテキスト類では「不是」ならbú shì、「不如」ならbù rúと書いていると思います。しかし辞書では、第2声で読む場合であっても元の発音「bù」と表記しているのです。つまり、「不是」ならばbù shìと書いてあるわけですね。

辞書等では、なぜこのように変調前の音を表記しているのでしょうか。 推測ですが、変調の決まりさえ覚えていれば一々変調させて表記しなくてもいいからなのでしょう。逆に、第4声と書いたり第2声と書いたりすると、元々の発音が分からなくなる可能性があります。それを防ぎたいということなのかもしれません。

では反対に、テキスト類ではなぜ変調後の音を表記しているのでしょうか。

これは明らかに、初学者を意識しての措置でしょうね。初学者は声調の変化についてはまだまだうろ覚えでしょうから、声調を変化させた音を表記するということになったようです。

声調の変化、といえばすぐ思い出すのが「第3声+第3声」が「第2声+第3声」に変化する、というものです。第3声は低く抑える発音ですから、2つ以上続くと、さすがの中国人も言いにくいようで、前の第3声を第2声に変化させるわけです。

この変化については、どのように表記されるか、というと、辞書も大抵のテキスト類も、もともとの発音(つまり、「第3声+第3声」)で表記します。例えば:

礼品

lĭ pĭn(実際の発音はlí pĭnとなるが、そのようには表記せずlĭ pĭnと表記する)
おみやげ

辞書は、「一」も「不」も元々の発音を表記するので、第3声の変調についても元々の発音を表記するのは分かります。しかし、テキスト類は、「一」も「不」も変調後の発音を表記するのに、なぜ第3声の変調については変調後の発音ではなく、元々の発音を表記するのでしょうか。

これも想像ですが、「一」や「不」は、この字だけの変調であり、他の字については関係ありません。だから、「一」の元の発音はyīで「不」はbùである、ということは、たった2つだけなので問題なく覚えられると思うのですが、第3声の変調についてはそうはいきません。

「第3声+第3声」が「第2声+第3声」になるのは、特定の字ではなく、どのような場合でもそう変化します。単語の中だけでなく、単語を越えても起こります。例えば:

语法(日本語:文法)yŭ fă(実際の発音はyú fă)
打网球(日本語:テニスをする)dă wăng qiú(実際の発音はdá wăng qiú)

これを全て変調後の発音で表記すると、「语」という字がyŭなのかyúなのか、「打」という字がdăなのかdáなのか、覚えられなくなり、ますます混乱することでしょう。

ということで、第3声の変調については変調前のもともとの発音を表記するようにしているのだと思われます。

ところで、少しテーマから離れますが、第3声が3つ以上続く場合、どう読むか困っている方はいらっしゃいませんか?僕は初学者だった頃、やっぱり困りました。例えば:

我五点吃饭。

wŏ wŭ diăn chī fàn
私は5時にご飯を食べます。

比我小一点儿

bĭ wŏ xiăo yì diănr
僕より少し年下だ。

このような場合、後ろから数えて1つ目の第3声は必ず第3声で、2つ目の第3声は必ず第2声で、3つ目の第3声はどちらでもいい、というように僕は言っています。つまり:

我五点吃饭。(3+2+3+1+4)or(2+2+3+1+4)

ただ、後ろから数えて3つ目の第3声については、後ろから数えて2つ目の字との結びつきが強ければ、第2声に読まれることが多いように感じます。

比我小一点儿。(2+2+3+4+3)

「比」は前置詞で、次の「我」との関係は濃厚です。ですから、「比」はbíと読まれる傾向にあるようですね。

声調そのものの習得も結構難しいですが、ピンイン表記をちゃんと読むのも難しいですねぇ。しかし、表記を一生懸命勉強するよりも、CDやテープを聴いたり、ネイティブスピーカーの発音をよく真似ることの方が大切かもしれません。お互い、ネイティブ並みの発音を目指して、頑張りましょう!

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